【有料記事】コラム◆vs.ガンバ大阪戦で3得点。FC東京トップチームの戦い方を考える(2016/09/27)
来年、インドで開催される「2017 FIFA U-17ワールドカップ」への出場を決めたU-16日本代表を見て、彼らの戦いぶりに感銘を受けたサッカーファンも多いのではないでしょうか。大勝つづき(アジアカップレバノン2000のA代表を彷彿とさせるスコアの連続でした)だったグループステージの相手ほどには実力差が開いていないUAEとの準々決勝、楽には勝てない試合だということもありましたが、何よりもファイトする姿勢が貫かれていましたし、攻撃では臆することなく次々に個で仕掛けていきました。
20年ほど前のサッカー報道には、個では勝てないからプレッシャーをかけて集団でボール狩りをするべきなのでは、個では勝てないからダイレクトでパスを廻すべきなのではと、攻守に1対1で勝てないことが前提の論調が多かったと記憶しています。アトランタオリンピック代表で見せていた前園真聖や伊東輝悦の技術は信頼に足るものだったと思いますが、戦い方の前提にするほどには個の力が平準化できていなかったのでしょう。
しかしいまのU-16日本代表は、注目されている久保建英だけでなくすべての選手が巧い。そしてゴールキーパーの谷晃生はサイズが大きく安心感がありますし、センターバックの瀬古歩夢と菅原由勢も粘り強い守備に頼もしさがあります。少なくともこの年代で他を圧倒するくらいに信頼できる個が育っているのです。
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でヴィヴァイオ船橋ジュニアユースを取材したところ、同クラブの渡辺恭男代表は「現状の小学生指導は、ドリブル、ドリブルという方向性になっている」と、ジュニア年代の育成について語っていました。これは判断を伴わないまま個人技のみを習得してジュニアユースに進んでしまう事態を危惧した文脈で出てきた言葉ですが、言い換えればそれだけ全体的にドリブルが教え込まれているということで、ゼロ年代以降に生まれた選手たちの技量が向上しているという実感に合致します。そこから突出した選りすぐりの才能が結集しているのだとすれば、U-16日本代表の攻撃陣があれだけ巧いのも頷けます。
極端に言えば、パスゲームからドリブルゲームへの転換が起きているのかもしれません。
では、
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