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【有料記事/J1_2nd第15節第4報】Review◆東京のサッカーとは何か。発見の糸口(2016/10/22)

この試合を象徴するような場面が後半6分にあった。この日は左サイドバックの室屋成が上がった後方のスペースを鹿島に狙われる。そこを使わせまいと左センターバックの丸山祐市が自分のポジションを空けてまで救助に向かうと、今度は丸山がもといたスペースを使われる。するとそこに、周囲にいた東京の選手たちのほとんどがものすごい勢いで殺到してボールを奪い、しまいには田邉草民が左へ持ち出し、中島翔哉に預け、ピンチをカウンターのチャンスに変えてしまったのだ。
前に対しては高い位置からプレッシャーをかけに行く。しかしバイタルエリアやペナルティボックス内に隙ができそうなら、それもそれで、全力でプレスバックする。前にもうしろにも全力だった。そしてまとまっていた。
「チームに貢献する」と書くときれいごとの定型句になってしまいそうだが、あの瞬間の東京には、うわべではなく、基本としてチームに貢献する姿勢が刷り込まれているように感じられた。
そこに東京らしいサッカーの萌芽があるのではないか。

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シーズン終盤、優勝争いにも残留争いにも絡んでいないFC東京が、リーグ戦総当りシステムのうえでは何も事件が起きないはずのJ1セカンドステージ第15節でなし遂げたふたつの出来事に驚かされた。37,317人の観衆が集まったこと、そしてタイ遠征を実施し故障者を復帰させ、チャンピオンシップに向けて本格的な準備に入っている鹿島アントラーズを、

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