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【有料記事】Preview2◆大宮の「4-4」を崩せ。全試合連続得点の篠田東京が掲げる攻略法とは。橋本拳人、東慶悟、中島翔哉、水沼宏太の談話(2016/11/02)

11月3日にFC東京が対戦する大宮アルディージャは現在年間4位と、すっかり上位チームに“化けた”感があるが、その時々の順位や状況に関係なく、多くの時期に渡って継承してきたスタイルが、三浦俊也監督時代に強く印象づけられた4-4-2のゾーンだ。守備時は4-4のブロックを敷くこのやり方は今シーズンも採っていて、つまり東京はこのブロックを打ち破らねばならない。
では、東京の選手たちはなんと答えたのか──を書く前に、現在の東京がどのような結果を残してきたかを記さねばならない。
東慶悟が驚嘆するべきことを言った。
「攻撃に関してはできてきている。シノさん(篠田善之監督)になってから、得点できなかったことはない。そこはいい部分だと思う。攻撃だけでなく、そのあとの切り換えにもつながってくる。チャレンジしたあともすぐに回収して、またすぐにチャレンジする、そのローテーションがいまのチームのいいところだと思う」

実際の試合結果を見てみよう。東の言葉は事実だ。篠田東京はすべての試合で得点している(※スコアはすべて左側が東京の得点)。
07/30(土) アルビレックス新潟 ○1-0 J1リーグ戦 第6節
08/06(土) ジュビロ磐田      ○3-2 J1リーグ戦 第7節
08/13(土) ヴィッセル神戸     ●1-4 J1リーグ戦 第8節
08/20(土) 横浜F・マリノス  ○1-0 J1リーグ戦 第9節
08/27(土) 名古屋グランパス    △1-1 J1リーグ戦 第10節
08/31(水) アビスパ福岡      △1-1 ルヴァンカップ準々決勝
09/04(日) アビスパ福岡      ○2-0 ルヴァンカップ準々決勝
09/10(土) 湘南ベルマーレ     ○3-0 J1リーグ戦 第11節
09/17(土) 浦和レッズ       ●1-3 J1リーグ戦 第12節
09/25(日) ガンバ大阪       △3-3 J1リーグ戦 第13節
10/01(土) サンフレッチェ広島 ○1-0 J1リーグ戦 第14節
10/05(水) 浦和レッズ       ●1-2 ルヴァンカップ準決勝
10/09(日) 浦和レッズ       ●1-3 ルヴァンカップ準決勝
10/22(土) 鹿島アントラーズ  ○2-1 J1リーグ戦 第15節
10/29(土) ベガルタ仙台      ○1-0 J1リーグ戦 第16節

この攻撃力を生んでいるのはワンツーやドリブルを活かした崩し、突破である。
前からプレッシャーをかけるという守備のタスクを負いながらゴールやアシストを狙う気力と体力が残っているのは、前掲の東の言葉にもあるように、相手にボールを奪われたあとに奪い返し再びタテに急いでウラを狙い、攻守が連動してすべてがゴールに向かう動きに収斂するからなのかもしれない。オリンピックから帰京後、リーグ戦7試合3得点、カップ戦4試合2得点の中島翔哉も「みんながうまくいっているときは、前に積極的にプレーしているとき」と言っている。そしていつもの中島の「速く走れるか否かは意識の問題」というキーワードを拝借すれば、走れるかどうかもまた、意識の問題なのではないか。世の中にはフィジカルなサッカーではなく創造性を求める意見も存在するが、現在の東京は走ることが党是だ。それが当たり前ならば、選手は笛が鳴るまでは走る。そしてハードワークのなかに個の特長や質が頻出して得点につながる。
水沼宏太も「大宮は基本に忠実というか、ちゃんとコンパクトな陣形でブロックを敷いて、というディフェンスをしてくると思う。ただ穴はいくつかあると思うから、そこを自分たちがうまく攻撃で衝いていければいいと思うし、いまみんなが動きながらプレーできているので、相手が“掴みどころがない”と言うくらいに思ってもらえれば。とにかく自分たちも調子がいいので、その調子のよさを表現できたらいいかなと思います」と言い、動的な東京のサッカーそのものが得点と勝利につながる実感を語っている。水沼は最終節で実践するべきプレーについても話していたが、それはこのあとに掲載する談話で確かめていただきたい。
ここまで継続してきたハードワークと、個の力の発露、そして瞬間の自動発生的コンビネーションがあれば、必ずや得点できる。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

◯橋本拳人の談話

(残り 3865文字/全文: 5547文字)

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