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【無料記事】FC東京が渋谷109前を占拠!約500人+多くの通行人が足を止めたゲリライベントに森重真人「大物アーティストの場合は中止になる。もっとがんばらないと」(2017/02/18)

2月18日午後、FC東京がSHIBUYA109前イベントスペースで「F.C.TOKYO 開幕トークイベント presented by 東京ガス」を開催、約500人のファンを沸かせるとともに、通りゆく無数の人々の足を止めた。
16時から「東京ドロンパダンスショー」を実施、東京ドロンパと青赤ベアがその体躯からは想像もつかない身のこなしでBPM高めのファンクに合わせて踊り、5つの質問に答えて場を盛り上げると、17時からは篠田善之監督、森重真人、太田宏介、大久保嘉人が登壇。記念撮影などを含め約1時間に及ぶトークイベントをおこなった。

冒頭「やっと東京っぽいことができた」と笑みを浮かべた森重に、終了後、このいかにも都会的な場所でのイベントに参加した感想を訊ねると、彼はこう答えた。
「こういう場でできる貴重な経験が新鮮な気持ちもあるし、多くのひとにFC東京をしてもらうには最適な場所だと思う。でも、ここで大物アーティストがやったときは中止になるくらい、ひとだかりができるわけで、スムーズに最後まで終わったのは、いいんだけど(笑)、哀しいことでもある。まだ自分たちがそういう存在なんだ、もっとがんばらなきゃという思いにもなりますね」
森重がラストで咆哮するDAZN(ダ・ゾーン)のCMでは、JリーグやFC東京が人々に与える影響がものすごいことになっているが、あれについては「はい。やっぱりあれは編集能力の高さを感じています。編集してくれたダ・ゾーンに感謝したいと思います」とのことだった。

しかし、その“盛った”光景を現実のものとしていくには、都心への進出から逃げていてはいけない。いかにホームスタジアムや練習場が東京の西にあったとしても、大きな街で親しまれる存在となり、都民に愛されるクラブにならなくては、FC東京を名乗る意義が薄れる。
ことしは名実ともに東京のクラブになるチャンスであり、その域に挑む姿勢が重要であるはずだ。森重は言う。
「東京だからここ(SHIBUYA109前)でできるわけで、会社としてもチームとしても常に、なんでもかんでも一番を獲りたいんだという欲を――。
かかわっているスタッフはこういうことをやって一番人気になりたい、一番注目を集めたい、選手は結果を残してリーグで1位になりたいと願い、クラブ全体で東京で1位を獲りたいんだということを念頭に置く、そういう組織になっていけば、自ずと頂点をめざすチームになるんじゃないかと思います」
「(これだけのひとだかりは)川崎だとラゾーナくらいですね」と面食らっていた大久保嘉人も「ここでやるのはFC東京くらい。東京の特権ですね。それをうまく使っていると思う」とひとこと。日本代表に迫り、追い越すほどにJクラブが認知されなければJリーグの向上もない。
東京がJ全体を牽引していくには、何度も勝ち、絶えずファン、サポーターを増やす試みを繰り返していくことが必要だ。この日のイベントがその第一歩となるかは、今後の取り組みにかかっている。

◯トークの内容

特に盛り上がったのは「好きな選手は?」というフリからのBL調(?)トーク。森重真人が「代官山でデートしました」と太田宏介を推せば、太田も「いっしょにすごす時間が長い」と森重を推し、相思相愛の仲を証明した。
大久保嘉人は「数日前に選手同士でそういう話になった」と、チーム内の美形を「田邉草民、佐々木渉、高萩洋次郎、太田宏介……」と列挙しながら、「けど、おれはタクマ(阿部拓馬)。ゴリゴリしてるけど、眼がきれいなんですよ!」。優しき紳士である阿部の魅力を見抜く辺りはさすがだった。
そのあと、話は徳永悠平の人間性をベタ褒めする方向で温まり、最後にぴりっと引き締まったのは質問コーナー。「開幕戦は鹿島に何対何のスコアで勝ちますか」と、勝利前提の質問に篠田善之監督が「2-0」と答え、選手全員がそれに追随したのだ。
イベント終了後の大久保は2-0の勝利を予言したことについて「いいんじゃない。負けるスコアを言っても、ここのひとたちはわくわくしないでしょ」と、まったくプレッシャーに感じていない様子だった。
大久保はさらに、「だめな試合もあると思うけれども、そういうときでも勝点1を獲るチームが優勝している。だめなときをどう抑えるか、いかに勝点を獲っていくかが大事。おれも優勝したことないけどね」。
太田はトーク中「(大久保)嘉人さんが仮に20点獲るとするなら、その半分をアシストしたい」と、10アシスト宣言。
堂々と結果を公言してプレッシャーに感じない強さ、勝つにも人気向上にも貪欲な上をめざす姿勢が、チーム全体に形成されつつある様子が感じられるイベントだった。

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「近未来の東京を舞台にしたサッカー小説・・・ですが、かなり意欲的なSF作品としても鑑賞に耐える作品です」
http://goo.gl/XlssTg
「クラブ経営から監督目線の戦術論、ピッチレベルで起こる試合の描写までフットボールの醍醐味を余すことなく盛り込んだ近未来フットボール・フィクション。サイドストーリーとしての群青叶の恋の展開もお楽しみ」
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