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【有料記事/J1第1節第2報】開幕戦の勝因<1>~献身的に守りながら攻撃のマインドを維持した永井謙佑(2017/02/27)

◯チームのために走るハードワーカー

先発メンバーの1/3がいままでFC東京に所属したことのない、新しく加入した選手で占められた。外勢の精神で強引にチームカラーを変えた部分も、今シーズンのFC東京にはあるのかもしれない。この新戦力は開幕戦の勝利に貢献していた。決定的なピンチを防いだ林彰洋、自由自在にパスを放ちながらボール争奪にも勝っていた高萩洋次郎、相手ボール時に4-4-2となりポジションを埋める動きをしっかりと繰り返しながらも攻撃に転じていた大久保嘉人、そして永井謙佑。

試合の前々日、多くの運動量を求められる、FC東京に於けるサイドハーフの仕事について永井に訊ねると、彼は「行けるところまで行く」と言っていた。
「行けるところ」は、実際には90分より手前ではなく、タイムアップの笛だった。永井は最後まで走りきった。
J1第1節のトラッキングデータスプリント回数は40回で今節最多。守備に戻り、攻撃のために出ていく、その労を惜しまなかったことが、この数字だけでわかる。

加入以来、永井に関しては、次々によい面ばかり目につくようになってきた。速さが特長ではあるが粗いわけではなく巧さもある。単騎突撃もあるが協調してのプレーもある。年下の後輩を含めチームメイトに気を遣うやさしさもあるし、フィジカルだけに頼らず知性もある。そして、おれがおれがではなく、献身的。
突破によるチャンスメークは期待していた。しかしまさかここまでチームに適応し、試合全体に影響を及ぼすプレーができる選手だとは……。

永井は丹念にサイドの、そしてウラのスペースを埋める動きを繰り返していた。
「やっぱりサイドバックの攻撃が鹿島は特長的だし、(太田)宏介くんとしっかり喋りながら、締めたところから、獲ったら出るということは、今週も練習でやってきたことだし、しっかりゼロで抑えたら得点を獲れるチャンスはあると思っていた。狙いどおり、っちゃ狙いどおりですね」
それはもちろん、疲れることだ。しかし永井は労を厭わない。
「すごく走り込んだし(スタミナはある)。最後のほうはうしろで守っていたから(疲れはそれほどではない)。きつかったことはきつかった。でも、みんながんばってるから」

◯得点への意思

「結果だけが欲しかった。勝てたことはよかった」
その勝利を呼ぶゴールが生まれたのは、

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