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【無料記事/練習試合第1報】序盤に失点するも逆転で水戸に勝利(2017/03/06)

吉本一謙からの長い対角線パスを受けて攻め込む場面もあった阿部拓馬。

吉本一謙からの長い対角線パスを受けて攻め込む場面もあった阿部拓馬。

同点ゴールの直後、近寄る仲間に視線を移す阿部拓馬。

同点ゴールの直後、近寄る仲間に視線を移す阿部拓馬。

前田遼一は1トップとしてディフェンスに奔走。1本めの26分、中から右に開いて撃った右足シュートは惜しくもゴール右に、わずかに逸れた。

前田遼一は1トップとしてディフェンスに奔走。1本めの26分、中から右に開いて撃った右足シュートは惜しくもゴール右に、わずかに逸れた。

中島翔哉はいつもどおり、多くのシュートを撃っていた。

中島翔哉はいつもどおり、多くのシュートを撃っていた。

3月5日、FC東京は小平グランドで水戸ホーリーホックと45分×2本の練習試合をおこない、2-1で勝利を収めた。東京は前日4日のJ1第2節で出場しなかった選手、または出場時間が短かった選手でチームを編成。1本めで退いた選手が、選手交替とシステム変更に伴い2本めの途中で再登場するリエントリー制で運用していた。

キックオフから強烈なプレッシャーをかけつづける水戸に、序盤の東京は押し込まれる。そしてエンジンがかかりきらない16分、態勢を立て直せないまま失点を喫してしまった。
その後28分にキャプテンマークを巻いた吉本一謙が「みんなでしゃべって!」などとさかんに声をかけ、29分に相手との接触で倒れた阿部拓馬が立ち上がったあと、いっそうキレのあるプレーを見せ始めると、残り15分は東京が攻勢に転じた。32分、その阿部が、自らのシュートを跳ね返されこぼれてきたところを、もう一度シュート。この強烈な一撃がゴールネットを揺らした。柔らかい業師という印象のある阿部だが、ここでは豪快なストライカーの一面を示し、同点に追いつき、試合の流れを引き戻した。
35分には、右センターバックの吉本が対角線上に蹴ったボールを左サイドの奥で阿部が受け、中へと運んでチャンスをつくる場面も。キックオフから気合がみなぎり、存在感の強かったふたりが活躍を印象づけ、1-1で1本めを終えた。

左センターバックの柳貴博を山田将之に、ボランチの鈴木喜丈をユ インスに替えて臨んだ2本めは、最初から東京がボールを支配し、ほぼワンサイドに近い内容となった。18分には、前日のJ1に出場していた前田遼一と中島翔哉を下げ、柳を右ウイングバック、鈴木をボランチで再登場させ、3-4-2-1へと布陣を変えた。ボランチだったユ インスが阿部、そしてネイサン バーンズと3トップを組み、右サイドバックの徳永悠平が吉本、山田と3バックを組む。
すると31分、小川諒也のフリーキックに、ゴール前中央で吉本が合わせる。頂点で合わせた打点の高いヘディングシュートは、相手ゴールキーパーの手が届かない軌道でネットに突き刺さった。この値千金のゴールで2-1と勝ち越し、そのまま試合終了。35分からは波多野豪を10分間起用して締めくくった。練習試合であっても勝ちにこだわる姿勢が印象的だった。

80分間ゴールマウスを守った大久保択生は次のように語っている。
「まず、先制点を与えてはいけないと思いました。それは(篠田善之)監督にも言われていますし、かんたんに早い時間帯で失点したのは、苦しくなるし、よくない。トップ(チーム)も昨日(4日)、失点だけはせずに試合を進めたからああいうふうに勝てたわけで。きょう(5日)も勝てましたけど、あそこでかんたんにやられてはいけないと思います。
(前半途中からよくなったが?)最初に比べれば、という感じですけど、でもそれではだめで。最初からできるならやらなきゃいけないし。ああやってプレスをかけてくるチームもいるので、しっかりプレスをかけられた状態でも、つなぐときとはっきりするときとを区別してやらないと、もっと厳しくプレスに来るチームもいると思います。公式戦になったときにしっかりできないと」

被シュートが少なく、反応系の練習とはならなかったが、試合勘を養うという意味では貴重な経験を積んだ大久保(択)。今後はカップ戦などで出場機会を得る可能性があるが、それはほかの選手たちも同様。こうした機会にアピールをつづけ、レギュラーポジション争いに名乗りを上げてもらいたい。

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「近未来の東京を舞台にしたサッカー小説・・・ですが、かなり意欲的なSF作品としても鑑賞に耐える作品です」
http://goo.gl/XlssTg
「クラブ経営から監督目線の戦術論、ピッチレベルで起こる試合の描写までフットボールの醍醐味を余すことなく盛り込んだ近未来フットボール・フィクション。サイドストーリーとしての群青叶の恋の展開もお楽しみ」
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