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【無料記事】トップチームを突き上げろ! ユース感あふれるFC東京U-23で輝きを放てるか、岡崎慎(2017/06/24)

あす6月25日、FC東京U-23はJ3第14節に臨み、江東区夢の島競技場でアスルクラロ沼津と対戦する。沼津は現在J3の4位。前節こそ8試合ぶりに敗れたが、前々節にセレッソ大阪U-23から2ゴールを挙げた薗田卓馬など強力な攻撃陣を擁する難敵だ。彼らに勝つためにはまず守備が重要になってくるが、キーパーソンのひとりになりそうなのがセンターバックの岡崎慎。故障で約半年間、実戦から離れていたが、第10節と第11節に途中出場したあと、前節第13節(※今シーズンはチーム数奇数での開催のため第12節はお休み)で今シーズン初めてフル出場。山田将之とともに中央を守る構えが出来上がった。

久々の先発フル出場にほっとしているのかと思いきや、岡崎の反応は「よくなかったですね、ハイライトになっちゃったので」と苦笑いだった。
無理もない。前節vsY.S.C.C.横浜戦の後半31分、岡崎はボールの処理にまごついて相手にボールをカットされてしまい、数的不利のカウンターを招く失態を演じてしまった。そこからのシュートはゴールキーパーの波多野豪がセーブして事なきを得、大きな叫びを上げながらガッツポーズをした彼にとっては見せ場となったが、岡崎にしてみるとこれは悔やまれる場面。
とはいえ、トータルでのパフォーマンスは悪くなかった。
「90分出るのが半年ぶりくらいですが、ほんとうに入りやすかった。山田(将之)選手も(鈴木)喜丈選手もすぐ近くにいて、波多野(豪)選手がうしろにいて。初めてではない感じでしっかり90分戦えたので、そこはよかったかなと思います」

今シーズンのFC東京U-23は年かさの選手が少なく、ほぼFC東京U-18+といった陣容。最近は、前節の決勝ゴールをマークした生地慶充も特別指定の大学生として“復帰”を果たし、ますますユース感あふれるメンバーになっている。それは岡崎も実感しているようだ。
「へたすると去年のU-18にオーバーエイジ(OA)が加わった、くらい(笑)。OAで(ユ)インスヤマくん(山田将之)がいる、それで1個下のユースが入ってくると、もうユース感がすごいんですよ。柳(貴博)くんもユース出身ですし、ユースで染まってますね」

そのFC東京U-23はJ3で2連勝中。リーグ戦と天皇杯で公式戦2連敗となったトップチームを下から突き上げないといけないのでは? と訊ねると、岡崎は表情を引き締めた。
「げんに、若手にチャンスがめぐってきていないのはたしかで、期待に答えられていないというか、選択肢にすら入っていない。練習から見せるのも大事ですけれども、週末のJ3で勝点3なり目に見える結果を出していかないと上(トップチーム)には行けないと思うので。
去年はユースから2種登録で参加させてもらって、正直、自分がやりたいことや試してみたいことをどこまでできるかに焦点を当ててそれだけで一年間を通してJ3をやっていたんですけれども、ことしからはJ1にも加わっていける身分なので、そこを見据えたプレーをしっかりしていければいいと思います」

J1に加わっていくために重要なファクターがフィジカル、球際の強さとなるが、これも岡崎は身につけてきている。けがをしているあいだ熱心に取り組んできた筋力トレーニングの賜物だ。
「(vsY.S.C.C.戦で)獲られた場面は慌てはましたけど、追いつけないという気持ちではなく追いつく自信がありましたし、1対1でも抜かれることなくがっつりと行けたので、そういったところは、最初にしてはしっかり入れている気がします。
シンプルにパワーが上がったと思っています。紅白戦でピーター ウタカに思いきり当たっても吹っ飛ばずに耐えることができましたし、むしろ獲れたりして。
ただ、筋トレをして、その筋力はついたんですけれども、それをサッカーに落とし込むとなるとちょっとちがうので(サッカーのプレーに活用していくには)難しいところがある。でもせっかく筋肉をつけたので、これからもうまく使えるようにやっていければ」

間近に迫った沼津との一戦に向けて、岡崎は燃えている。夢の島というシチュエーションも彼の闘志を掻き立てる役に立っているようだ。
「フル出場できるかどうかわかりませんけれども、先発の可能性も考えると、今シーズン初めて夢の島のホームゲームでの先発で、去年の最終節もあそこでエノさん(榎本達也)と最後の試合をしましたし、思い出深い場所でもあります。アスルクラロ沼津は天皇杯も勝ってJ3でも上位ですから、そういう強い相手に向かっていくのは楽しみですね。攻撃陣も強力だそうですけれども、強い相手のほうが燃える」
若いのに落ち着いた職人といったユース選手としての完成度を踏まえ、勝つことにこだわるプロらしさ、豪放磊落な一面があらわれてきている岡崎。その前向きな気持ちに期待したい。

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◎後藤勝(ごとう・まさる)
東京都出身のライター兼編集者。FC東京を中心に日本サッカーの現在を追う。サカつくとリアルサッカーの雑誌だった『サッカルチョ』そして半田雄一さん編集長時代の『サッカー批評』でサッカーライターとしてのキャリアを始め、現在はさまざまな媒体に寄稿。著書に、2004年までのFC東京をファンと記者双方の視点で追った観戦記ルポ『トーキョーワッショイ!プレミアム』(双葉社)、佐川急便東京SCなどの東京社会人サッカー的なホームタウン分割を意識した近未来SFエンタテインメント小説『エンダーズ・デッドリードライヴ』(カンゼン)がある。2011年にメールマガジンとして『トーキョーワッショイ!MM』を開始したのち、2012年秋にタグマへ移行し『トーキョーワッショイ!プレミアム』に装いをあらためウェブマガジンとして再スタートを切った。

 

■J論でのインタビュー
「ライターと編集者。”二足の草鞋”を履くことになった動機とは?」後藤勝/前編【オレたちのライター道】

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