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【有料記事/J1第22節第4報】Review◆ネルシーニョの策を上回り、僅差の勝利をもぎ獲った青赤軍団。そしてチャン ヒョンスの、戦い方の幅を拡げる可能性~橋本拳人、髙萩洋次郎、篠田善之監督(2017/08/14)

写真はシャペコエンセの超大型ユニフォームにFC東京の選手、スタッフが寄せ書きをする過程を映したもの。

ジョアン ミレッGKコーチの言葉。

You’ll Never Walk Aloneの文字も。書いた主は?

昨シーズン後半戦での初対決以来、篠田東京とネルシーニョ神戸の戦術合戦は試合の趨勢に大きな影響を与え、非常に見応えがある方向に作用することが常だった。
しかしJ1第22節のファーストハーフ45分間に関しては神戸側の策が嵌りすぎ、とても“しょっぱい”試合に見えた。互いに前半は体力を温存し、後半に勝負をかけるつもりなのか、と。東京がほとんど何もしないように映ったのは、駆け引きによって力を発揮できない状況に追い込まれていたからでもあったのだ。

3-1-4-2のFC東京に対し、ヴィッセル神戸はこの試合独特の陣形を敷いてきた。東京の最終ラインには当然、フォワードのルーカス ポドルスキと小川慶治朗が対峙するが、問題はそのうしろだ。
アンカーの髙萩洋次郎に対してトップ下の渡邉千真、インサイドハーフの東慶悟と橋本拳人にはそれぞれ中盤の田中英雄と藤田直之がついた。高橋秀人は4バックでのアンカーの位置よりも下がって最終ラインに入り、3バックを形成して東京の2トップに対し数的優位をつくっていた。

いかにこれが効いていたか、耐えるしかなかったかは、選手と監督の言葉が如実に示している。
「相手も3バックにしてマンツーマン気味に来ていたので、なかなかうまくボールを動かすことができなかったんですけど、そこは割りきってがまん強く戦うこと、うまくいかなくても守備のところでしっかりと耐えることだけを考えてプレーしました」(髙萩洋次郎)
「前半は押し込まれてミスも多く、耐える時間が長かった。相手がテンポよくつないで少し引いたかたちになりましたけど、ああなったらしっかりと耐えることが大事」(橋本拳人)
「前半は神戸に非常に嵌められたというか、マッチアップされる状況が長くつづき、なかなかボールを奪いにいくことができなかった。相手がボールを握る時間が非常に長く、自分たちのリズムをつくることができなかった。中盤のビルドアップを抑えるために、神戸はマークをつけてきたのだと思うんだけれども、その3人が、自分たちがボールを保持したときに下がってボールを受けようとしたところを嵌められる展開がつづいてしまった。中盤と離されて数的不利の状況がつづいていたフォワードの(前田)遼一と(大久保)嘉人にどうボールを当てていくかをうまく伝えきれなかったのが前半の45分でした。チームとしてはあの時間帯を失点ゼロでしのいだことが後々の勝利にとっては大きかった」(篠田善之監督)

セカンドハーフの東京はみちがえるように高い位置取りで積極的に攻めた。要因のひとつには、小川慶治朗からハーフナー マイクに替わり、高さで突出した反面、神戸の前線からのプレッシャーが弱くなり、さらに全体の運動量も低下して、そのぶん時間とスペースに余裕が生まれて東京が攻めやすくなったことがある。
もうひとつは、

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