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唯一の得点に関わったふたりの苦悩。セットプレーだけではだめなのか。山田将之と太田宏介が抱く危機感【J1第33節第2報】

平川怜のJ3初ゴールがあったJ3第31節vs.藤枝MYFC戦に於ける先制点、そのリプレーを観ているようだった。キッカーはJ3のときの小川諒也ではなく太田宏介だが、右コーナーキックに山田将之が走り込んできてヘディングで突き刺すというだんどりは酷似している。鋭い同点弾。これで勢いがつくかと思われたが、後半21分、サンフレッチェ広島に勝ち越しゴールを許してFC東京は敗れた。試合後、今シーズンの10アシストめを記録した太田、そしてJ1初ゴールの山田は、当然のことながらすなおに喜べないという面持ちだった。

想定どおりの得点ではあった。山田は次のようにゴールシーンを振り返った。
「前日のセットプレー練習からすり合わせをしていましたし、試合をやる前もポイントを話し合ったので、予想どおりかなと思います。(J3でもああいうゴールを決めていますけど、得意なパターン?)いやまあ、セットプレーで点を獲ることに関しては自分の武器でもあるので、キッカーさえよければ勝てる自信はあります。それを、きょう出せたのはよかったかなと思います」
J1にかぎらなければ、これまでの人生で何度も山田は頭でゴールを決めてきていて、自信はある。そのストロングヘッダーとしての能力をここで発揮できたことはその自信をさらに強固なものとしただろう。体力、精神力、知力を向上させた結果トップチームの試合に出場できるようになり、本来習得していたスキルを活かせるようになった。

これで来年から本格的にJ1の競争に加わっていける目処がついたとも言える。ただ、それだけに自身に対する要求基準は高くなり、「得点できてよかったね」という次元で満足はできず、責任を果たせなかったことを自覚するコメントが多くなる。
「結局、試合の結果はついてきていないので。本来の領分であるディフェンスで2失点してしまっている現状をしっかり受け止めて、しっかり反省したい。セットプレーは何本もありました(直接FK12、間接FK1、CK4)し、

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