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吉田和拓、青木友佑、佐藤一樹監督のコメントとその解説【U-18第16節第2報】

プレミア第16節のスターティングイレヴン。

逆転ゴールを決め、揉みくちゃにされる吉田和拓(右端)。このあとピッチサイドに駆け寄り選手みなと歓喜の輪が出来上がる。

プレミアデビューの瞬間が近づく青木友佑。このあと脚を攣らせた横山塁に替わり後半40分から出場。

11月25日に開催された高円宮杯U-18サッカーリーグ2017 プレミアリーグEAST第16節「FC東京U-18vs.横浜F・マリノスユース」、試合後の選手、監督談話をお届けする。
まず最初は背番号31を着け、横山塁との交替で後半40分から途中出場した中学3年生青木友佑の、プレミアデビューの感想。同じFC東京U-15深川の菅原一真とともにU-15日本代表の常連となっている青木は既にT1リーグへの出場を果たしているが、プレミアでプレーするのは初めて。身長のわりに厚みがあり、同世代ではフィジカルが強い印象の青木も、さすがに高校生にまじると分が悪く当たり負けしている場面も目についた。しかし公式戦直後の練習試合でもそうだったが、相手が高校生であっても、常にボール保持者を追いプレッシャーをかけながら、守備をベースに攻撃を仕掛けようとする姿勢は一貫していた。アディショナルタイムには、枠を逸れてしまったがゴール左に遠めから思い切ったシュート。U-15日本代表のフランス遠征では全3試合で毎試合連続ゴールを決めた純然たるストライカーらしいところを見せた。
コートの周囲にギャラリーが立つ古いフットボールに近い、東京ガス武蔵野苑多目的グランド独特の雰囲気、しかも狭いスペースに350人が詰めかけた注目の一戦。飛び級の“ルーキー”らしい緊張が感じられる。

――プレミアリーグデビューの感想は。
青木友佑 T1でやらせてもらってはいたんですが、やっぱりプレミアは緊張感も環境もT1とは全然ちがっていて、サポーターのみなさんも来ていて(350人)、最初はほんとうに緊張しました。でも自分のやるべきことは前からボールを追ってゴールを決めることだと、ずっと(心に)決めていて。名前を呼ばれてピッチに入ると、ほかの10人の選手たちが「おまえ、楽しくやれよ」と言ってくれたので、そこで少し緊張がほぐれました。いざシュートとなるとこけちゃったんですけど(後半48分、左に外れ)、周りのひとが引き出してくれて、なんとかプレーできました。
きょうは球際に負けるところもありましたし、改善点もたくさん見つかり、ほんとうにいい経験になったので、これを自チームに帰ってから練習に活かしていきたいと思います。

――仰るとおりシュートのときは転んでしまいましたが、コートの滑りやすい箇所への適応は?
青木友佑 それも自分の力のうちだと思うので。(強い)体幹があればそれによって滑らない選手もいるし、まだまだだと感じました。

複数ポジションをこなす職人アラコーこと荒川滉貴。

小林幹を「現代サッカーのセントラル・ミッドフィールダーとしてアリ」と佐藤一樹監督は評価。

前半から奮闘した吉田。2ゴールで報われた。

次は2ゴールでチームを勝利に導いた吉田和拓。先輩にまじって出ていた2年生のときも既に目立っていたが、常にゴールに迫る積極性があり、得点の匂いが漂うフォワードだ。もちろんボックスに強いがパワフルに躍動するタイプであり、この日は特に後半、途中出場の小林里駆とともに前線で縦横無尽に暴れまわり、何点でも獲れそうな攻撃をつづけていた。2種登録選手が不在となる、または短い出場時間に留まる傾向が強い現行のFC東京U-18にあって存在感を発揮しているひとり。どこを評価されているか訊ねれば「からだを活かしたキープや突破。ストライカーとして評価されていると思います」と答える頼もしい吉田に、試合全体を振り返りながら、自身についても語ってもらった。

――スロースターターぶりを発揮してしまいましたが、前半最後のほうから東京のペースになりましたね。
吉田和拓 きょうは久しぶりの公式戦で、入りは硬かったんですけど、自分としては点を獲れそうな雰囲気があり、このまま試合が進むにつれてほぐれてきたら絶対に点が獲れると思っていました。立ち上がりからバッと行けるタイプではないというか、そこは課題だと思っているんですけれども、そこまで気にすることでもないかなと。

――後半になったら点が獲れるという確信があるのでは?
吉田和拓 どうでしょう。自分たちはみんなまじめなので、すごく硬くなっちゃうんですよ。「さあ、いこうぜ!」みたいな感じで、軽く入っていけない。自分たちの性格もあると思うんですけど、でも個人個人が自分のペースを握れば、やれるので。そこはまあ、いいかなと思っています。

――反撃ののろしを上げる同点ゴールとなった、左コーナーキックからの1点めが見事でした。
吉田和拓 ニアに入ってヘディングするパターンは自分自身にとっても強みですし、チームとしても自分があれをやるというのは決まっている。それで点が獲れたことはよかったと思います。この攻撃には自信があります。レイソル戦でも獲っていますし(9月24日の第14節vs.柏レイソルU-18戦、前半8分。横山塁が蹴ったコーナーキックからの先制ゴール)。

――後半最初から惜しいシーンが続出しましたね。
吉田和拓 立ち上がり、最初はすごくやられそうになったんですけど、そこからすぐに自分たちのペースにでき、そこからあとは誰かが決めるだけでした。自分が決めることができてよかったと思います。

――あの時間帯、チーム全体でボールを高い位置で獲れている感覚はありましたか。
吉田和拓 ありました。後半に入って相手がこちらのディフェンスをいやがっていて、ロングボールが増えてきた。守備でやれている感が出て、それが攻撃の圧力につながったと思います。

――ご自身のプレーはいかがでしたか。
吉田和拓 試合を通してボールロストもそんなに多くなかったと思いますし、いい感じで周りとかかわってボールを収めることができていました。そのうえで結果を出すことができてよかったと思います

――中断期間が明け、この試合の位置づけは。
吉田和拓 攻撃の、フィニッシュの思い切りのよさ、シュートを振るうところが足りないなということをチームで共有してそこに取り組んできました。3点獲れたので、そこはチームとしていい方向に行っているのかなと思っています。

――最後の3連戦に勝てば行けるだろうという感覚で入ったのですか。
吉田和拓 3連勝に加えて清水エスパルスと青森山田高校が落としてくれないと優勝できないとはわかっているんですけど、それでも自分たちは勝つだけなので。眼の前の試合に集中してやりたいと思っています。

――次節は鹿島アントラーズ戦です。決して苦手でないわけではないけど、勝てなくはないという感じでしょうか?
吉田和拓 鹿島は結果を見ても1-0、ウノ・ゼロのゲームが多かったりします。自分たちもどちらかと言えばそういうタイプなので、しっかり守備から入って攻撃できれば、絶対に勝てない相手ではない。集中して入りたいです。

最後に佐藤一樹監督の試合総括と選手起用、終盤戦について。

――立ち上がりに苦しみましたが。

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