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内田宅哉と鈴木喜丈、ナオラストのJ3最終節に向けた思いを語る

シーズンを通して複数の役割をこなし、FC東京U-23に貢献してきた内田宅哉と鈴木喜丈。前節はトップに多くの選手を送り出し、プレミアと連戦となるFC東京U-18からの招集選手が多い条件で、本職ではないポジションを任されていた。中心としてチームを牽引しなければならなかったが、しかしアウエーの悪天候も影響したか、中村忠トップチームコーチ兼FC東京U-23監督が「ここ数試合でいちばんよくない内容」で、鹿児島ユナイテッドFCに完全なる敗北を喫した。
同情できる余地がある敗戦にも責任を感じ向上を誓うふたりに、あらためて前節を振り返りながら、最終節への抱負を語ってもらった。

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「自分を含めて球際に負けていましたし、みんながポジションをとるのが遅くてつなぐにつなげなかった。個々に負けていたところが多くなり、ああいう試合になってしまったのだと思います」
根本には力不足があると、内田は敗戦の理由を潔く認めた。
「ピッチ内の雰囲気も『ボールを持つのが怖い』というふうになっていて、いつもどおりにできないところがありました。誰が落ち着かせるのかはっきりせず、自分もその役を果たすことができませんでしたし。ああいうときには、誰かひとりでもボールを持てれば状況は変わると思うんです。そういうシチュエーションで自分も引っ張っていかなくてはならないと、あらためて思った試合でした」
オーバーエイジが不在で、フルコンディションではないユースの選手を加えたメンバー編成。内田はそこで突出できなかった己に不甲斐なさを感じているようだった。

決定的な2失点めに直接関わっていた鈴木も、やはり己の未熟を痛感していた。
「センターバックをやっている以上は、失点したら責任を感じますし、セットプレーで自分のマークに競り負け、ミスで失点というのはやってはいけないことだと思います。トップチームの選手が不在の試合はやはり難しい。でも、そのなかでもやらないといけない。まだまだ心に甘さがあると思いました」
本来はサイドプレーヤーである小川諒也が隣に入り、もう一カ所も草住晃之介と連戦の長谷川光基が分け合う3バック。この即席ぶりが守備組織の不安定さを招いたことは明白だが、それでも鈴木はできることがあったと悔やんだ。
「(守備が劣勢となり失点する)きっかけはそういうところでしたけど、自分のミスがなかったらまだ勝敗はどうなるかわからなかったと思うので、試合の行方を決定づけてしまったという点では、自分に責任があると感じます。ボランチをやりたいとか、いろいろな思いはありますけど、まずは与えられたポジションでしっかりやらないといけない。まだまだ足りなかったと思います」

ボランチが本職の鈴木が3バックなら、サイドハーフやフォワードが適任の内田は左ウイングバック。熟成度が足りないぶんの不足を内田も認識していた。
「ウイングバックは守備もしつつ攻撃にも参加しないといけない。そういうタイミングの質はまだそのポジションでは水準に達していないなと思いました。守備の1対1では負けることがなかったので、それは継続しながらも、3失点しているのでそこは改善しないといけないのかなと思います」

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だが、最近では珍しい、よくない内容での敗戦を厳粛に受け止めつつも、既に気持ちは切り替わっている。全体練習終了後に、フルメンバーでの練習はできないが、J3メンバー+αのミニゲームをおこなうなどして、J3最終節の駒沢決戦に備え、練度を高めてきた。くよくよしている暇はない。
鈴木は言う。

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