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横山塁、杉山玲央、長谷川光基のコメント「結果を残したからこそ掴めた舞台だと思うので、自信を持ってやれたらいいと思います」(杉山)【高円宮杯U-18チャンピオンシップPreviewその2】

横山塁。

杉山玲央。

長谷川光基。

2014年12月27日の高円宮杯第26回全日本ユース(U-15)サッカー選手権大会決勝戦でヴィッセル神戸U-15を下したFC東京U-15深川の先発メンバーは高瀬和楠、長谷川光基、岡庭愁人、篠原新汰、草住晃之介、荒川滉貴、吉田和拓、品田愛斗、横山塁、吹野竜司、梶谷佳士。桐光学園に進んだ梶谷以外の10人が持つ経験値は、そのまま三年後の12月17日に活かされるのか。
横山塁、長谷川光基、そしてボール支配に定評のあったFC東京U-15むさしからの積み上げをU-18のカテゴリーでも発揮する杉山玲央に、決戦前の心情を訊ねた。

◯横山塁の談話

――プレミアEAST全試合出場の先にあるチャンピオンシップとなりましたが、いまどういう心境ですか。
横山塁 一試合一試合メンバーが入れ替わるなかで、一人ひとりがやれることをやってきてこのチャンピオンシップにつながっている。東も西も1チームずつしか出られないこのチャンスを逃さず、絶対にチャンピオンシップを獲りたいです

――疲労は?
横山塁 自分はいつもどおり。木曜日(12月14日)に15分ハーフを2本やりましたが、問題なく動けています。

――FC東京U-15深川時代にヴィッセル神戸U-15を相手に勝利を収めていますが、油断せず、自信を持って臨めそうですか?
横山塁 そうなんですけど、チャンピオンシップは最後の集大成で、何が起こるかわからない。でも、自分はいいほうに捉えています。

――神戸に勝つため、自らが実践するべきプレーとは。
横山塁 サイドの1対1で負けず、チャンスをつくりたい。スピードでタテに仕掛ける、そのタテを消されることも増えてきましたが、それでもタテへの自信は他のプレーヤーよりも強いと思っています。積極的にチャレンジしていきたい。自分はそれだけしかできないと思っていますし、特長でもある。それがチームのためになるのであれば、いいと思います。

◯杉山玲央の談話

――最終節ではかなりボールを保持できましたね。
杉山玲央 青森山田は第16節と17節の入りがよくて開始3分、1分で得点を挙げていたので気をつけようと話し合っていたのですが、意外と自分たちのほうに手応えがありました。中盤で相手が間延びしていた感もあり、ボールを持つことができました。

――FC東京U-15むさしで取り組んでいたつないで崩すサッカーを、このカテゴリーでもできていることは自信になるのでは?
杉山玲央 そうですね、ここまで積み上げてきた、ひととかかわりながらボールを動かすサッカーに自信があります。

――いろいろなポジションでプレーしていますが、心がけていることは。
杉山玲央 自分はポジションに関係なく自由に動く。きょう(15日)の紅白戦では途中からフォワードもやりましたけれども、(フォワードの場合)原大智選手がウラに出たり前線でポイントになるのに対し、自分は自由に動きまわってあいだで受けることを意識しています。ポジショニングというか、受ける位置は状況を見ながらとっています。

――チャンピオンシップを前に、はらはらするのか、わくわくするのか。
杉山玲央 あまり緊張はしていないです。自分がミスして失点したらとか、いろいろと考えることはあるんですけど、わくわくのほうが大きくて。正直なところ、チャンピオンシップに出られるかわからなかったし、それができるなんて恵まれていて幸せだとしか言いようがない。この最高の環境を噛み締め、楽しめたらいいのではないかと思います。先制しながら逆転された2010年の決勝を振り返ると何が起こるかわからない。でもいろいろなシチュエーションを考えても意味がないし、一年を通してEASTで1位になり、結果を残したからこそ掴めた舞台だと思うので、自信を持ってやれたらいいと思います。

◯長谷川光基の談話

――最終節では結果的に2失点したものの、青森山田高校の苛烈な攻撃を前にして、FC東京U-18の、きわどいところでしのぐ守備が光りました。
長谷川光基 自分たちがボールを保持、主導権を握る展開でも、青森山田高校の一発なりカウンターの脅威はあり、うしろは緊張感を持ってやっていました。青森山田はゴール前の質が高く、一度のピンチで失点まで行ってしまう。からだを張って絶対に失点しないという危機感を持って、たえず篠原新汰選手と声をかけ合い、高瀨和楠選手とコミュニケーションをとっていました。

――EAST優勝を果たし、一年間の疲れが押し寄せてきたのでは?
長谷川光基 喜びもあって試合当日は疲れが出なかったんですけど、翌日以降どっと来て。反動で、学校でも集中がつづかないときがありました(苦笑)。昨日(14日)辺りまでみんなからだが重そうで、思ったようなプレーができない様子でした。紅白戦ではBチームもそうとうな圧で来ていて、それを受けてしまう場面も多々ありました。

――紅白戦が厳しいと全体の底上げになりますし、現時点でスタメンに近い選手もいっそうがんばらざるをえないですね。
長谷川光基 Aよりも強い圧力でBが刺激を与えてくれることでAも緊張感を持って取り組めますし、あらためてスタメンを競おうとする状態ができているので、チームとしては非常にいい状況だと思います。

――さて、チャンピオンシップです。楽しみですか?
長谷川光基 非常に楽しみ。武藤(嘉紀)選手の代でもなしえなかった王座を掴む機会が眼の前にあり、歴史を変えられる立場にいる、こういう体験はめったにできない。楽しむことが大事ですし、そのうえで結果がついてくると――そうですね、やっぱり結果が出ないとほんとうに悔しいので、結果を追いながらその状況を楽しめたら最高かな、と思います。

――三年前の高円宮杯第26回全日本ユース(U-15)サッカー選手権大会でヴィッセル神戸U-15に勝っていることは自信になる?
長谷川光基 三年前に勝ったは勝ったんですけど、先制されているんですよね(前半21分。東京はその後3点を奪い逆転)。ここまで来たらかんたんなゲームはないと思います。Jユースカップでも2-1というギリギリのスコアでの勝利でした。でもそれはあまり気にせず、いまの自分たちとヴィッセルの状況を踏まえて、積み上げてきたものをすべて発揮しながら、勝利を手許に引き寄せることが大事だと思います。正直、負ける気はしないので。自信はあるんですけど、それが過信、慢心にならないようにすることが大事かなと思います。

――長谷川選手と言えば空中戦の強さも武器ですね。
長谷川光基 深川でヘディングの練習を重ねた過程で、落下点を読む能力に長けてきたと思います。先に落下点に入ることと。それに、勢いよく飛んだときのジャンプ力、空中戦の強さには自分でも自信を持っています。そこのタイミングがすべてうまくいけば負ける気はしない。相手に抑えられたときが課題ですが、改善していきたいと思います。タイミングよく飛んで上で叩くというところは外さず、ヴィッセル戦でもしっかりやっていきたいと思います。苦し紛れにでも蹴ってきたボール(のこぼれ、または落としたもの)が相手のボールになると厄介だと思うので、しっかり全部、ぼくと篠原選手で跳ね返して、相手の攻撃の芽を一つひとつ摘んできたいと思います。

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◎後藤勝(ごとう・まさる)
東京都出身のライター兼編集者。FC東京を中心に日本サッカーの現在を追う。サカつくとリアルサッカーの雑誌だった『サッカルチョ』そして半田雄一さん編集長時代の『サッカー批評』でサッカーライターとしてのキャリアを始め、現在はさまざまな媒体に寄稿。著書に、2004年までのFC東京をファンと記者双方の視点で追った観戦記ルポ『トーキョーワッショイ!プレミアム』(双葉社)、佐川急便東京SCなどの東京社会人サッカー的なホームタウン分割を意識した近未来SFエンタテインメント小説『エンダーズ・デッドリードライヴ』(カンゼン)がある。2011年にメールマガジンとして『トーキョーワッショイ!MM』を開始したのち、2012年秋にタグマへ移行し『トーキョーワッショイ!プレミアム』に装いをあらためウェブマガジンとして再スタートを切った。

 

■J論でのインタビュー
「ライターと編集者。”二足の草鞋”を履くことになった動機とは?」後藤勝/前編【オレたちのライター道】

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