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新戦力の馴化、順応と既存戦力の底上げが鍵を握る。「マリカー王」ディエゴ オリヴェイラから「未完の大器」矢島輝一まで【2018始動】

左から品田愛斗、矢島輝一、大森晃太郎、ディエゴ オリヴェイラ、富樫敬真、原大智。

一昨年も昨年も1次キャンプの時期はポジティヴな要素が目についたものの、2月下旬から3月にかけて何かしらの破綻があらわれ、そこから上向くことができないという似た傾向を繰り返した。このことを考えればチームづくりに関してはしばらく静観するしかないが、現時点でも、昨年より上向く要素があるということだけは言える。それは選手が口々に言う長谷川健太監督の指導力のみならず、選手自身の心構えをもふまえてのことだ。

編成を見ると、ジョアン ミレッGKコーチの残留とともにゴールキーパー4人が全員契約を更新。ディフェンダーも負傷の森重真人が戻ってきたことにより層は保たれている。よって、新加入選手は中盤から前に固まった。他クラブから移籍してきた選手はいずれもJ1上位での経験を持ち、豊富な運動量または身体能力の高さを感じさせ、実を取った感がある。そして新人には伸びしろの期待がある。

ガンバ大阪で2014シーズンに三冠を経験した大森晃太郎には、雑兵であることを是としながら、監督の厳命を着実に実行するにとどまらずその働きを昇華させ、チーム全体を動かしてしまうような力強いメンタルがあるようだ。
「優勝するにはチーム一丸となってやること。メンタルがないと無理なのかなと思います。試合に出られるのは11人だけ。紅白戦でBに入ったとしてもそこで腐らずチームのために何ができるのかを考えてやれたらいいと思います」
大森はタイトル獲得の秘訣を問われ、こう言った。ずばり、昨年のFC東京ができなかったことだ。それをはっきりと認識し、口に出せるというだけでも、獲得した価値がある。
「ボールを出してもらわなくても自分が動くことでチームを主体的に動かせるのでは?」と問うと、大森は次のように答えた。
「そうですね、自分が動くことによってチームを活かせられるなら、そういう動きも必要だと思い、常に意識しています」
昨年で言えば阿部拓馬、さらに遡るのなら羽生直剛。前線をかき回し、チームメイトが動く余地をつくる汗かき屋になれる選手なのかもしれない。

対東京ということでは既に実績のある富樫敬真は「練習試合を含めて相性はよかった。たまたまかもしれないですけど、何点か獲っている。でも昨年の後期は何もできなかったという印象が強くレベルが高いチームだと思うので、いっしょに練習ができて楽しい」「いい連携を築くことができれば、自然とそういう結果につながるのかなと思います」と言い、高い技術を有する中盤やサイドとの連携に得点の鉱脈を見出している。個人で勝負するという課題もあるが、周囲に合わせていくことで点を量産できるタイプ。いいクロスやセカンドボールがこぼれたチャンスを活かし、結果を出すには昨年足りなかった集中力を高めることが必要だと言う。
「毎日集中してやりたい。こぼれ球に早く反応する、ダイレクトでのシュートには、動き出しの早さもですけれども、嗅覚は集中力が高まったなかで生まれてくる。習慣化するというか。昨年それをできなかったのがぼくの反省なので、練習のときからどんどん集中を高めていく感覚でやっていきたい」
長谷川健太監督の指導については「監督はチームの雰囲気をよくするのが巧い。ピリッとした緊張感のなかで選手が練習に取り組めるように指導してくれている印象があります。選手が盛り上がれるような声掛けもしてくれていますし、一つひとつのアドバイスが頷けるものばかり」と受け止めているだけに、素直に伸びていくことを祈りたい。

見事に盛り上がった臀部の筋肉といい、潜在的な身体能力の高さを感じさせるディエゴ オリヴェイラも、単独でのゴールよりは連携を好むようだ。
「ゴールを決めるために必要なのは

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