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vs.武蔵野戦コメントと分析【新人戦第2戦第2報】

既報のとおり、FC東京U-18は“新人戦”「平成29年度 第19回 東京都クラブユースU-17サッカー選手権大会」決勝リーグ第2戦で東京武蔵野シティフットボールクラブU-18を下し、順位決定戦進出を決めた。苦しみながらもしたたかに勝ったこと自体評価できるが、第1戦よりも歯ごたえのある相手の高い圧力に晒されるなかで能力が引き出され、あるいは組み合わせの妙、ポジションへの適性などが見えてきたことも収穫だった。昨年はJユースカップでベスト4に残れず12月のインターナショナルユースカップを経ていないため、この新人戦から本格的にチームづくりを進めていくことになり、まだいろいろと試行している段階だけに、ここで選手や監督がどのような感触を持ったかは、今後に向けて重要な意味を持つ。芳賀日陽、小林里駆、佐藤一樹監督の談話から、ことしのチーム像を探っていこう。

芳賀日陽のフリーキックに、

草住晃之介が合わせて先制。なお草住がFUJI XEROX SUPER CUP 2018「NEXT GENERATION MATCH U-18 Jリーグ選抜 vs 日本高校サッカー選抜」のU-18Jリーグ選抜に選出されたと、29日に発表があった。

◯芳賀日陽の談話

当初、前からプレッシャーをかけてくる武蔵野の守備に抗いきれずボール保持に苦労していた東京だったが、試合中、特に後半はこれがある程度改善された。強い相手と戦わないとこういう経験ができず、自分たちのスキルも向上しないので、やはりいい相手との試合を重ねて磨いていくしかない。前半はボランチ、後半は左サイドハーフでプレーした芳賀日陽は次のように感想を述べた。
「相手の圧がすごく、前半は自分たちの思うようにボールを動かせなかった。ただ、試合では思ったようにいかないことが多いので、試合中はもちろん話し合いますけれども、そこで改善できなければ次の試合までに改善しようと心がけています。意見を交換してじょじょに共通認識を持つようにしていければと思っています。
きょうの試合に関しては相手が前から来ていましたけれども、前半にボランチを組んでいた寺山(翼)選手とふたりで自信を持ってボールを受け、前を向いて展開していこうと考えました。あのくらいの圧でやっていかなければ自分たちの成長もないと思うので、あれを剥がせるように、遊び心やアイデア、技術を高めていけるといいと思います」
昨年末のチャンピオンシップでは先輩たちが相手をかわす動きからのパスでアタッキングサードを攻略していく、観る者が舌を巻くような攻撃を実践していたが、どんな相手でもいなせるようになればあのようなサッカーで敵陣を崩すことができる。武蔵野の守備を上回るスタンダードを心がけていくべきだろう。

先制点のアシストについては「あまりフリーキックは得意ではないのですが、空いていたので強いボールを入れれば誰かが触るだろうと思って蹴りました。草住選手には感謝しています」と語るに留まった。しかし、佐藤一樹監督いわく「蹴ることができそうな選手は何人かいる」、そのグループに入っていることはまちがいない。
サイドと中でやりやすさのちがいは――と訊ねると、答えは「本来はサイドハーフなのでボランチより積極的に前を向いて仕掛けられた面はあると思います。しかしサイドバックのバングーナガンデ選手と連携して左サイドを崩せたらもっとチャンスが増えたと思うので、まだまだですね」。
適性がサイドにあり、そこで起用するとある程度結果が見込めるのは、本人の言葉からもわかる。しかし後掲する佐藤監督の言葉にもあるように、セントラルミッドフィールダーの概念が変化してきていることも事実。中とサイドとを自在に行き来して無双するような姿も見てみたい。

チームに関しての質問には、次のような答えが返ってきた。
「(いろいろ試しながらやっていると思うが、どういうチームになっていきそうか?)みんな個が強いので、その個をいかに大きな面にして、いろいろなひとがかかわって攻撃に枚数をかけられるようになれば、おもしろいチームになると思います。後半はワンタッチではたく、ツータッチでテンポよく廻すところと、自分のよさを出していくところ、それぞれみんないいものを持っているので、時間をかけて連携を高めていけばさらにいいものができると思っています
(雰囲気の点では)練習をしていないときはうるさいですし、練習中も我が強いので意見がぶつかり合う。それをいい方向に持っていければ。練習もあかるく楽しくやっている。あかるいチームだと思います」

目標は全国制覇だと言う。そしてJ3出場への意欲を隠さないところが頼もしかった。
「プレッシャーもありますが、そのプレッシャーを楽しみながら、自分たちは自分たちなりにがんばっていきたい。J3に出て獲れるだけ点を獲りたいですし、U-18でもがんばっていきたい」

若いが経験値の高い小林里駆。守備や駆け引きといった点でも、FC東京U-18で吸収したことを活かしている。

◯小林里駆の談話

フォワードとセントラルMFでプレーした小林里駆。昨年のプレミアに於ける活躍を思い起こすかぎりでは、前線に置けば激しい動きでそうとう相手を混乱に陥れることもできそうだが、このvs.武蔵野戦では守備や中盤中央でのプレーなど、またちがった面も見せた。
「(フォワードとセントラルMFどちらも自信がある?)というわけではないんですが、試合に入る前に、そのポジションの役割をしっかり整理してから入るようにはしています。自分のポジションに即したプレーをするなかで自分の特長を出すように、と言われています」

印象的だったのはファーストハーフ最後の時間帯。武蔵野の選手に倒されたとき、

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