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Interview近藤祐介さん/その4「若手を育ててほしい」(終)

かつてFC東京などでプレーし、2016シーズンかぎりで現役を退いた近藤祐介さん。現在はスクールで少年の指導をしながらときおり応援番組『Ole! FC東京U-23』(レインボータウンFM)の解説のためにFC東京U-23のホームゲームを訪れている。その近藤さんを、昨年末に直撃。ご自身のことから育成の現場、そしてFC東京U-23について、いろいろとお話をうかがった。第4回は前回につづき近藤さん自身のことから、トップチームとU-23の話題へ。最後は今後の東京に対する期待で締めていただきました。

――たぶんプロサッカーを経験していることで、よりサッカーのツボがわかっているぶん、急所を突いた指導ができるんじゃないですか? 教科書的に教えると、扱う範囲が広すぎてたいへんそうですけど。
近藤祐介 ライセンスをとるのも大事ですし、すごいことだと思うんですけれども、ぼくらプロ経験者は、教えるスキルは高いと思います。やはり実戦で検証してきたものがあるので。プロ選手をやめた直後は指導に関する経験値が低い状態で指導者業を始めるわけですけれども、それはやっていけば身に付いていく。もともとプロになるためにどうすればいいかはわかっているから、教え方をよくしていけば、実戦に役立つ指導ができるようになるのではないかと。
――たとえばフォワードはうしろを向かないと背後が見えない。ポジショニングや動き方が難しいと思うんですが、近藤さんはどうしていたんですか。
近藤祐介 もらい方は悪かったですよ、テツさん(ファジアーノ岡山の長澤徹監督、元FC東京コーチ)に言われるまでは、うしろを見られない状態でまっすぐに引いてしまっていた。ずっとそうだったんです。だからうしろからバン! と当たられたらトラップをミスってしまう。そこで「もらうにはどうする?」「どうしたら見える?」と訊かれて、ぼくは考えて「半身になります」と答えたんです。プロになってからそれを反復練習して改善した。あとは、中盤に馬場(憂太)くんがいたから、彼がどういうプレーが好きか、彼が顔を上げたときに動き出したらボールをもらえるだろうか、と考えながらやっていました。(鈴木)規郎くんはドリブル突破のプレーヤーだからぼくが前を塞いだら彼が走り込むスペースを消してしまう。だったらフォローしながら基本的には中にいよう、と考えたり。まして初めて組むひとの特長はわからなくて当然だから、ちいさな情報をどれだけ集められるかが勝負ですね。ダイレクトが得意だなというポジティヴな特長もあれば、トラップが拙い、周りが見えていないというネガティヴな特長もありますけれども、それに合わせていけばいいわけで。まあでも、フォワードはパサーがいて初めて活きるポジションですからね。東京で(大久保)嘉人くんが点が獲れない原因のひとつは

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