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初戦は“熱中フットボール”沼津の軍門に降るも、個々に収穫【J3第1節】

J3開幕戦のキャプテンを務め、センターバックとして最終ラインを統率した鈴木喜丈。個のディフェンスで光る場面があった。

試合前の集合写真。

3月11日、FC東京U-23はホーム江東区夢の島競技場に強豪のアスルクラロ沼津を迎えてJ3第1節に臨み、0-3で敗れた。例年どおり週末ごとの選抜チームであるU-23はまとまって練習する時間がなく、4-4-2のスリーラインを絶妙のバランスに保ち戻りの速い沼津に比べると、組織としての練度で大きな差があった。右サイドハーフのリッピ ヴェローゾがしきりに中や左に寄ってくるも効果的ではなかった点は、メンバー変更によって最終的に中央(フォワード)へと移動したことで修正されたが、U-18のメンバーが増えてまとまりが出てくるまでは選手個々の意欲が空回りし、ともすると勝手なプレーに映る状況が長くつづいた。
しかしキャプテンマークを巻き守備で見せ最後はユースだらけとなった最終ラインの統率に奮闘した鈴木喜丈、昨年一年間を負傷で棒に振り復帰戦となったこの試合でチーム初シュートを撃った平岡翼、J3初出場となったFC東京U-18の木村誠二や高橋亮、バングーナガンデ 佳史扶など、個人ごとに収穫があったことはたしか。育成チームと考えれば悪くないスタートだったのではないか。
なお敵将の吉田謙監督は「ひたむきとは、なりふりかまわず何かに熱中しているさま。熱中フットボールがいろいろなひとに伝わって、ぼくららしくできたのではないか」「ゴール方向に動き出す回数、エネルギーに於いてJリーグでいちばんをめざす」「走る力とゴールへの想う力“そうりょく”は絶対に敗けてはいけないと練習に取り組んできました。その想いが3点というゴールにつながったのかな、と」「ボールを獲られたからなりふりかまわず追いかける、そういうものでもJリーグのいちばんをめざしている。ボールを奪ったら奪いに行く速度もJリーグ最速をめざしている」と熱弁をふるい、会見場のメディアを圧倒。ピッチ内外に強い印象を残し、沼津は東京から去った。

○平岡翼、鈴木喜丈、高橋亮、木村誠二それぞれの収穫

2016年11月20日の江東区夢の島競技場に於けるJ3最終節vs.セレッソ大阪U-23戦、同年12月3日の練習試合vs.東京武蔵野シティフットボールクラブ戦以来の公開対外試合出場となった平岡翼は「(ピッチへの)階段を上がるときに“ああ、一年以上ぶりだな”と、サポーターの声援とともにすごくしあわせな気持ちを感じました」と感無量の面持ち。この日のメンバーに声を出すタイプの選手がいなかったことは自覚しているようで、それを改善点のひとつに挙げ「次節は自分が引っ張っていけたらいい」と、責任感の芽生えを感じさせるコメントを残した。
チームの初シュートともなった前半22分の一撃について訊ねると、

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