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岡崎慎、橋本拳人、若者たちのJ1初勝利【J1第4節第2報】

長谷川健太監督は今シーズンの公式戦初勝利を挙げたルヴァンカップのメンバーをほぼそのままJ1第4節に起用してきた。そして彼らは中三日で臨んだ試合ではあったが、疲れた様子もなく、水曜日の勢いそのままにハードワークでならす湘南ベルマーレを相手に運動量で上回り、貴重なリーグ戦の初白星を獲得した。
両サイドバックは小川諒也と岡崎慎の若いふたりに、ボランチの一角は橋本拳人に、先発の座が与えられた。それぞれ太田宏介、室屋成、米本拓司を地力で超えたという段階にはなくとも、めざす方向や現状を理解してチームにフィットすることで勝利に貢献するプレーを可能にした。

太田に似た特長を持つ小川はこの日も左からのクロスとセットプレーのキックを担っていた。前半12分、ウラに抜け出したシーンのように「ふんわり上げておけば決められるという長身の選手がいないので、速いクロスを心がけた」と、低いクロスをゴールにつなげようと狙ったが、得点にはつながらなかった。しかし「サイドのウラを衝くことはできているのであとはシュートの精度」と、攻撃の改善が詰めの段階に来ているという手応えを感じていた。
岡崎はまだ周囲との連携が十分ではなく、長谷川健太監督も、そして岡崎自身も言うように、前に上がったときにアタッキングサードで少々まごついていたが、後方からは長く正確なボールを前線に供給しようと、フィードに冴えを見せていた。岡崎はまた、運動量の面でも貢献していた。「球際の激しい相手にハードワークで勝ったことを監督は喜んでいたが、そこでまさったという感触は選手自身にもあったのですか」。こう訊ねると、岡崎は頷いた。
「そうですね、きょうは走り勝ったというか。昨年の練習試合では湘南(ベルマーレ)にすごく走られて、自分たちとしてもいやな印象しかなかった相手です。押し込まれて、走られて走られて、というところがすごくいやな相手でしたけれども、今回はむしろ後半はこちらが走り勝っていた。相手も蹴ることしかできなくなっていましたし、その蹴るプレーすらミスしてしまうような状況を(自分たちが)チーム全体でつくりだせたのはすごくよかったと思います。たぶん、そこが、監督がいちばん最初に求めていたスタイルだったのではないか、と。あのくらいの勢いを持ってやれれば、どこのチームもビルドアップで(マークを)剥がすことは難しいと思うので、これを継続してやることが大事だなと思いました」
橋本はルヴァンカップに引きつづき、落ち着いたボランチ像を見せた。ボールを奪ってから前に出ていきシュートを撃つプレーが専売特許だったが、今シーズンは相変わらずいいインターセプトを見せながらも、むしろ中核としてゲームを司るようなプレーに移行してきている。この日も髙萩洋次郎と、その他の選手との中間に位置してバランスをとり、まったく穴を感じさせなかった。
「あちこちに潰しに行く髙萩洋次郎に対し、その空いたところを埋めるように、老獪なというか巧みなポジショニングで仕切っていましたけれども、その中盤としての働きを振り返っていかがですか?」と訊ねると、橋本は確信を持ってこう答えた。

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