青赤20倍!トーキョーたっぷり蹴球マガジン

U-23のストライカー候補に名乗りか。平岡翼、シュートへの動きと意識【J3第3節第2報】

前半8分、バングーナガンデ佳史扶とともに決定的な場面を演出した平岡翼。フォワードとしてのプレーを確立しつつある。

今度こそはと今シーズンの初勝利をめざし、J3第3節の試合開始から主導権を握ったFC東京U-23。その目標を果たせず、試合後は悔し涙を流す選手が複数人いたという。いかに臨時の選抜チームと言っても、場を与えられチームとして試合に臨むうちに自ずとやらなければいけない自覚は生じる。まして個々の役割やプレースタイルがJ3の水準でも突出し始め、他のチームに比べるとどうしても完成が遅れる組織プレーもある程度の改善が見られ、勝てる可能性があっただけになおさらだ。
プレースタイルがわかりやすかった選手たちのうち、試合後は平岡翼と品田愛斗を取材した。まずは平岡についてのレポートをお届けしよう。「やはり結果が出ていないので、そこがいちばん。多くのファンの方に足を運んでいただいているなかで、勝利という結果を残せなかったことが、自分自身もチームとしてもすごく悔しい気持ちでいっぱい」と感想を語った平岡に対し、さらに詳しく個のプレーについて問いを重ねた。

**********

長いボールを当てる長身のフォワードが不在だったJ3第3節のFC東京U-23は前線にリッピ ヴェローゾと平岡翼を置いた。当初はサイドハーフで出場していたリッピだが、第1節では初期配置の右サイドから中央へ、左サイドへと寄ってきてボールを欲しがるも効果的なプレーにならず、試合途中から中央にポジションを移し、第2節でもスタート時はフォワードを担当。その流れを汲んだものか、この試合でも前めのポジションを担った。平岡は先発だった第1節、途中出場の第2節と、こちらもフォワードでプレー。第3節でも安間貴義監督が試合後に「翼のスピードを攻撃に用いた」と言ったように、チャンスメークと得点を担うためにフォワードで先発、69分間プレーした。

前半8分に特筆するべきプレーがあった。16歳のバングーナガンデ佳史扶が果敢に勝負を挑み相手ディフェンスふたりをかわすと、中央ゴール方向にパス。ニアに入ってきた平岡がこのボールに対し、思いきり右足を振り抜いた。相手選手に至近距離でブロックされたためだろう、公式記録のシュート数にはカウントされていないが、意図してつくったチャンスにしっかりとした体勢でシュート動作に入った一連の流れは、長野の選手やファンをひやりとさせるのに十分なものだっただろう。
偶然ではなく組み立ててシュートを撃つという狙いを果たせた感触はあるか――と訊ねると、平岡は力強く答えた。

(残り 1523文字/全文: 2659文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ