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ロンドン五輪コンビの連撃秒殺弾で先制、2点リードののち追いつかれるも諒也2アシストめの追加点でガンバを突き放す“熱い勝利”~長谷川健太監督、富樫敬真、小川諒也、岡崎慎【J1第5節】

3月31日、FC東京は味の素スタジアムでJ1第5節に臨み、3-2でガンバ大阪を下して15連戦の初戦を白星で飾った。開始から2分も経たないうちにディエゴ オリヴェイラが背後に逸らしたボールに永井謙佑が追いついてシュート、これをゴールキーパー東口順昭に弾かれたところ、逆サイドにきちんと詰めていた東慶悟が押し込んで先制。12分には小川諒也が狙いすましてゴールキーパーと壁のあいだに蹴ったフリーキックに森重真人が合わせて追加点を挙げた。
ファーストハーフ中ほとんどの時間帯を制していた東京だったが、終盤にピンチ。前半39分、井出遥也に抜け出されてあわや失点という場面は東京の守護神・林彰洋が防いだものの、アディショナルタイムにはファン ウィジョにPKを決められて1点差。暗雲が漂った。
失点に結びついた中盤の修正を施して臨んだセカンドハーフも最初の7分間は東京のものだったが、その後5~6分間はガンバのペース。ここで後半13分に初瀬亮のクロスをファン ウィジョに決められ、2-2の同点に追いつかれた。左サイドバックの藤春廣輝がアクシデントで下がり、交替で途中出場した初瀬には、マッチアップする東京の右サイドバック岡崎慎も手を焼くほどの出来で、東京にとっては脅威のひとつだった。
敗戦となりそうな試合の流れを変えたのは若い力だった。後半19分、悠然と構えた小川がタイミングを見計らい、絶妙な位置を狙ってのクロス。ここにディエゴ オリヴェイラが走り込み、的確なヘディングで貴重な3点めを奪った。
「3点めが勝負だと思っていた」(長谷川健太監督)からには、計算通り。このあとアディショナルタイムを含めて約30分間を守りきろうという最後の時間帯にもドラマがあった。交代出場して間もない後半45分、小川のクロスに合わせられなかった富樫敬真が、47分に大仕事。枠を捉えていたファン ウィジョのシュートを富樫がヘディングで弾き、間一髪失点を免れた。
長谷川健太監督が試合後「1点ものだった。ああいうラックがないと、こういう試合には勝ちきることができない。選手のがんばり、サポーターの気持ちや想いが運につながったのではないかと思う」と漏らしたほどの決定的な守備だった。長谷川監督は、東の先制点については「シュートのセカンドに走り込んでいなければそういう(先制点のような)点も入らない。ここまで、どの試合でもクロスに対して逆サイドに詰めるプレーを繰り返してきた彼の勤勉さに対するご褒美」と高く評価したが、まさしく試合に勝つためには技術以外の何かが必要だと証明した一戦。東の得点が“勤勉”の象徴ならば、富樫の失点阻止は“熱さ”の象徴。いいプレーが続出したこの試合、何度となく「ケンタ東京」コールが発生したことは、そうしたチームのマインドが認められたからこそ。森重真人が「キャンプからやってきたことがみんなのなかにあった」と言うように、積み重ねてきたことが一気に花開き、ボールを支配し、多彩な攻撃を繰り出した好ゲームを受け、この先の連戦も、ピッチにかける選手たちの人間力で、青赤軍団は戦い抜く。
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○決勝ゴールに大歓喜。試合後も笑顔の長谷川健太監督の語録

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