後藤勝責任編集「トーキョーワッショイ!プレミアム」

vs.神戸戦Previewに代えて~好調の要因――2トップの威力、トランジションと先を読んだ連動

長谷川健太監督が、かつて指導した選手たちへの対策を施し、勝利につなげていることはまちがいない。vs.ガンバ大阪戦ではセンターバック陣の特長をわかっていると言い切り、vs.サンフレッチェ広島戦ではパトリック対策を問われて「それは彼の営業妨害になるので言えない」とジョークで煙に巻いた。東慶悟が「パトリックをみんなでケアしていた」と一端を開陳したように、警戒していたことはたしかだ。ただ、それはいち断面にすぎない。FC東京はどの試合も基本的な戦術と試合運びを変えていない。試合ごとにこまかい対策は変わっても、vs.ヴィッセル神戸戦も、多摩川クラシコも、東京は同じ戦いをつづけるだろう。駆け引きがそれほど得意ではない――この形容も少々眉唾になってきたが――不器用でひたむきな、スプリント回数の多い挑戦者。それが2018シーズンの東京の姿だ。

日本代表に関する言説で「自分たちのサッカー」というと十中八九否定的な意味にしかならないが、クラブチームとしてシーズンを通じて戦う東京に関しては置かれている状況が異なることもあり、ほぼ肯定的な意味でのみ用いられている。つまり、東京は「自分たちのサッカー」のおかげで勝つことができている。

「広島は意識しなかった。自分たちのサッカーをすることにこだわった」(4月25日vs.広島戦後、永井謙佑)
「準備したかたちで点が獲れた」(4月25日vs.広島戦後、橋本拳人)
「全員がやりたいサッカーをわかっていたから勝てた」(4月28日vs.名古屋戦後、大森晃太郎)

にわかに流行りはじめた「ファストブレイク」なる用語も東京界隈では新奇な言葉ではなく、当たり前に語られている。vs.広島戦のあと、東に「2点めのアシストになったインターセプトは偶然の要素もあるのか、狙っていたのか?」と訊ねると、まず「いや」と否定して偶然ではないことを強調し、こういう答えを返してきた。
「ディエゴ(オリヴェイラ)が見えていたので、そこに出せればいいと思って出しました。(長谷川)健太さんになって『ファストブレイク』というか、獲ってすぐゴールに、というところはキャンプからやってきたので。(髙萩)洋次郎さんからディエゴへの3点めもそうですけど、

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