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PKを譲った平岡翼「自分が蹴るよりもあの取り合った3人(矢島輝一、リッピ ヴェローゾ、久保建英)が蹴るほうが入ると自分は思ったので」と言いつつ、粉骨砕身の全力疾走【J3第9節第2報】

攻守に於いて走りまくった平岡翼。多くの声援に応えた。

PKを獲得。

キッカーの座をめぐり3人が話し合うのを尻目に、ひと仕事を終え水を補給しに向かう平岡。

5月3日のJ3第9節vs.グルージャ盛岡戦で矢島輝一とともに強く印象付けられたのは、先制点となるPKを獲得した平岡翼。品田愛斗が仮想・髙萩洋次郎、久保建英が仮想。東慶悟or大森晃太郎だとするならば、平岡翼はやはり仮想・永井謙佑。異次元の速さを持つ永井とスピードでならび立てる韋駄天は日本サッカー界広しと言えども平岡しかいない。これまではその速さを活かしきれず、J3の試合でも途中交替が多かったが、この日の平岡はフル出場。タッチラインを割りそうなボールに食らいつくようにピッチ全域を走り、もちろんゴール前めがけて飛び込みもした。PKキッカーをリッピ ヴェローゾら3人に任せ、記録には残っていないが、東京ファンからさかんにタスクコールが飛ぶ活躍ぶりだった。おりしも連戦でトップチームの選手に疲労が目立つ現在、新しい戦力がプラスにならないはずがない。トップの選手を衝き上げ、場合によっては入れ替わることで新陳代謝が促される。安間貴義トップチームコーチ兼FC東京U-23監督も「ルヴァンカップで高橋亮を使っていただいたように、長谷川健太監督は誰にでもチャンスを与える。だからこそみんなモチベーションは高いと思うし、逆にできなければぽん、と外される。(田邉)草民がJ3から一気にレギュラーをとったり、そういう入れ替えがあるからこそ彼らもがんばるのかもしれません」と言っている。平岡がこのままたゆまぬ努力をつづければ、貴重なカードになる可能性もある。

安間貴義トップチームコーチ兼FC東京U-23監督。

特にセカンドハーフがすばらしかった。安間監督にハーフタイムの指示について訊ねると、答えは「(きょうのメンバーは)どうしても遊びのパスが入るメンバーでもあるんですね。ゲームを崩したのが、やはり止まってのパス廻しだった。(トップの)ヴィッセル戦のハーフタイムのコメントに『もう少し中盤を動かしていこう』という長谷川健太さんの言葉があったように、その話はしていますが、止まってのパス廻しは話がちがう、全部走れというわけではないからパス&ゴーとは言わないが、パス&ムーヴだと。当てて動いてスペースをつくる、それを拾う、相手が食いついてきたときにウラを狙う、常にウラの意識を持ちながらパス&ムーヴで常に動きつづけろ、という話はしました」。そのとおり、常に全体が動き、活発化するなかで、平岡はさらに光った。
試合後の一問一答をお届けする。

――いろいろありましたが……後半、全体的によくなっていたところ、PKをゲットした場面ではどのような意識でプレーしていたのですか。
平岡翼 前半からセンターバックの前のスペースが空いているなと思っていたので、そこで受けようという意識でプレーしていました。練習でもああいったかたちはすごく多くやっていて、

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