前節8得点のマリノスに5点大勝! “先行逃げ切り”ならぬ“先行しまくり”の味スタ劇場で首位に勝点7差と迫る【J1第17節第1報/ショートレポート/無料公開】
7月22日、FC東京は味の素スタジアムに横浜F・マリノスを迎えてJ1第17節に臨み、5-2のスコアで勝利を収めた。リーグ戦の半分を消化して勝点は34。この日、首位のサンフレッチェ広島が名古屋グランパスと引き分けたため、勝点差は7に縮まった。
前節、8ゴールをマークしたその攻撃力が脅威であるマリノスに対し、東京は怯まず、ファーストハーフのキックオフから襲いかかった。
試合が動いたのは前半8分。ディエゴ オリヴェイラが倒されて得た直接フリーキックを、東慶悟のダミー走りのあと、太田宏介が超絶技巧でゴール左に向かってタテに落とし込み、相手ゴールキーパーの飯倉大樹が届かない位置に決めた。この今シーズン第1号によって戦局が東京の側に大きく傾く。
前半12分にも髙萩洋次郎のパスを受け、あわやシュートというところまで行っていた田邉草民のアクションが活きたのは前半27分。ディエゴが粘ってつないだボールを田邉がシュート、これがディエゴに当たってゴールイン。当初は田邉のゴールと発表されたが、すぐにディエゴの得点に訂正された。試合後の田邉は「自分の名前がコールされたときから『ちがう』と思っていました」とポツリ。しかし前半45分に真のゴールが生まれる。東慶悟のスルーパスに反応して飛び出した田邉は、キーパー飯倉の鼻先をかわすようにボールを運び、斜め方向のシュート。これが枠に転がり、試合を決定づける3点めとなった。
前半36分にはマリノスの天野純が直接フリーキックを蹴ったが、これは大久保択生に防がれてゴールならず。太田と天野、大久保と飯倉の対照が、両チームの差を物語っているかのようだった。
開始直後から東とディエゴに惜しいシュートがつづいたセカンドハーフも変わらず東京のペース。15分には髙萩→ディエゴ→田邉と渡ったボールを髙萩がゴール前でキープ、これを外側から膨らむように入ってきた東に絶妙のタイミングで渡す。すると東は豪快に蹴り込み4点め。
そして後半19分には左コーナーキックからのこぼれ球をめぐって混戦となったペナルティボックス内で、岡崎が右足でちょこんとさわるようにボールを蹴ると、これがゴールイン。「結果でアピールしないと次のチャンスは巡ってこないと思っていた」という切迫感も伴う、自身のJ1初ゴールがダメ押し点となった。
5-0の大差で選手交替のカードを切りやすくなったのか、直後の後半21分、髙萩out、リンスin。髙萩を少しでも休ませるとともに、リンスの試運転を実現するこの交替はコンディションとコンビネーションの調整という観点からは正しいものだが、やはり試合のペースはそれまでと同様とはいかず落ち着いたものとなり、残りの時間帯で2失点を喫した。
しかしウーゴ ヴィエイラを投入して前線の人数を増やしてきたスクランブル気味のマリノスに対応し、しのぎきったことも含め、試合全体を東京が掌握していたのはたしかなこと。自信を深めるに十分な勝利を得て、東京は中4日でフライデーナイトのvs.V・ファーレン長崎戦に臨む。
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◆書評
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「近未来の東京を舞台にしたサッカー小説・・・ですが、かなり意欲的なSF作品としても鑑賞に耐える作品です」
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「クラブ経営から監督目線の戦術論、ピッチレベルで起こる試合の描写までフットボールの醍醐味を余すことなく盛り込んだ近未来フットボール・フィクション。サイドストーリーとしての群青叶の恋の展開もお楽しみ」
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