遠距離恋愛サポは切り捨てられてしまうのか(J論)

後藤勝責任編集「トーキョーワッショイ!プレミアム」

マコ、歴史の扉を開くJ1初ゴール。育成からトップまで通った一本の道。「もう、ねじ込むしかなかった」【J1第17節第2報/無料公開期間終了】

 セットプレーからの混戦で岡崎慎がJ1初となるゴールを決めたとき、歴史の扉が開いたと感じたファンは少なくなかったのではないか。現代サッカーに対応した、トップチームで言えば森重真人のような、ビルドアップやフィードに優れたセンターバックとして下部組織から昇格してきた“マコ”。トップにあるべきタイプの選手を意図して育て、送り込む、そこまでは半ば成功と言ってもよかったのかもしれない。しかしJ1で試合に出て主力級の働きができるかどうかは、また別の問題だ。代表クラスのディフェンダーが多く存在するチームでは、J1への出場すらままならない。しかし岡崎は先発の機会を得たうえで、ゴールというわかりやすい結果によって到達点を示した。

 岡崎もFC東京アカデミーとトップをつなぐ歴史観を持っている。彼は試合後にこう言っていた。
「U-15くらいから観に来てくださっているサポーターが、最後に(コートを)周っているときにちらほらいて。U-15、U-18と、下部組織から自分を見てきてくださっている方々が、自分のJ1初ゴールを観ることができてたぶんうれしいのだと思いますし、自分もまた、そういった方々にJ1初ゴールを観てもらってすごくうれしかった。これからもっと自分が活躍して、さらに『あの選手を応援していてよかったな』と思えるような選手になりたいと、思いました」

 選手、スタッフ、サポーターが明確にヴィジョンを共有する最初の例に、岡崎はなったのかもしれない。

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 FC東京U-18に所属しながらFC東京U-23に出場するテストケースの1期生となった“マコ”は、同期の鈴木喜丈、内田宅哉、波多野豪とともにトップチームに昇格した。正式に加入し、2種登録の身分からプロになったとはいえ、すぐJ1の試合に出られるわけではない。レギュラー組の紅白戦に加われず、安間貴義コーチの指導を受けて個人戦術と技術を開発しながらJ3に出場する。そこで認められないかぎり、J1の島には加われない。

 戦術と技術が上達して巧い選手になったとしても、それだけでは勝てる選手、強い選手とはなりえない。勝負どころの弱さを克服する必要がある。よほどの天才でないかぎり、この境界線を乗り越えるには一定の時間がかかる。

 これについて、安間貴義トップチームコーチ兼FC東京U-23監督は、7月21日のJ3第19節終了後の記者会見で「小川(諒也)にしても岡崎(慎)にしても2年、3年かかったトライです」と語った。つまり、小川と岡崎は通過儀礼を終え、

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