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【Review】備えあれば憂いなし。勝負師の采配を可能にしたケンタ東京の用意周到-2【J1第20節第3報】

 

 

◯思い切った交替策を可能にしたチーム運用

 vs.神戸戦の見どころは言うまでもなく後半45分間だった。
 初期設定では4-3-3の布陣を採用する神戸は、セカンドハーフの開始から中央をウェリントンと渡邉千真の2トップ気味の配置とし、郷家友太を右サイドハーフに、そして途中出場の古橋亨梧を左サイドハーフに置いた。古橋はウイングの選手なので、4-4-2というよりは実質4-2-4のような強気の前線である。

 初顔の古橋に対し、室屋は最初、苦戦した。
「(一回古橋にボールを奪われたが、急にマッチアップが替わって初顔だとやりにくい?)そうですね、最初はやっぱり。途中から慣れてきましたけど。特長も知らない選手だったので、やりにくさはありました。(後半の半ばすぎは?)うまくできました」
 守りを重視した室屋は、結果的に古橋を消すことに成功。際どいシュートを「けっこういいタイミングで撃たれたので、タイミングを合わせるのがたいへんだった」という林彰洋が止めたことも勝敗を分けた。
 ともかくも、活性化していた神戸のペースが落ちたところで、長谷川監督が満を持して勝負に出た。

 リンス、そして永井謙佑を次々に送り出す。先に入ったリンスとディエゴで2トップが埋まっていたので、永井は右サイドハーフだ。まるで、古橋を入れてきた神戸のような布陣。これを後出しでやるところが心憎い。
 ただこのとき、米本に替えて永井を送り込んだので、ボランチが一枚足りなくなる。交替枠を使い切っていて岡崎を出すことはできないし、そもそも守備を削って攻撃を増やそうという意図があるので、攻撃的な選手がボランチを担わなければこの交替の意味がない。そこでサイドハーフからボランチにポジションを移したのが東だった。

「ボランチをやれる選手がいないなかで、昨年ボランチをやらせてもらったこともあり、うまく入れたのかなと思います」
 昨年の終盤、

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