充実のセンターライン。橋本拳人「距離感がよかったので必然的にボールが集まってきた」【J1第29節第3報】
◆「いつもどおり」とは言うが
9試合ぶりに勝ったというだけでなく、内容がよかっただけに、帰路に着く選手たちには快活な表情が見てとれた。永井謙佑が「きょうは申し訳ないからね」と、古巣の名古屋グランパスを気遣うていでミックスゾーンを素通りしようとして報道陣がそれを止め、笑いが漏れる。いざ囲み取材の輪ができると、韓国代表合宿に向かうチャン ヒョンスがICレコーダーを向けて記者の真似事をする。
橋本拳人も同様だった。
「いやー、感動しましたね」「泣きそうになりました」と、<(笑)>または<(棒)>が付きそうな口調でコメントを始め、報道陣を笑わせる余裕があった。
この日のFC東京が強く見えたのはセンターラインがタフだったから、かもしれない。林彰洋は前田直輝の決定的なシュートを防ぎ、ヒョンスに替わってピッチに入った丹羽大輝はジョーの背後から飛んで競り勝ち、橋本は中盤の底で巧みに舵取りをしながらも機を見て攻め上がってはミドルシュートを放ち、そして2トップは敵陣の奥深くをえぐりながらラストパスとシュートを狙った。
後半14分と17分のチャンスをつぶしたことはいただけなかったが、その不足は似たようなかたちで後半20分と23分にゴールを決めて帳消しになった。
振り返ると、ここまでの不調時とは異なり全体的に前がかりでアグレッシヴな90分間だったが、それを支えたのは堅固なディフェンス陣であり、また橋本のバランス感覚であったのではないだろうか。橋本は「いつもどおりやってきた感じですけど」と、こともなげに言うものの、
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