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決定力不足にとどまらない首位との実力差。取り組みを継続して3位を狙いつつ、今後どういうサッカーを構築していくべきか冷静に考える必要がある【コラム/J1第30節第3報】

 
◆まず浮かび上がる課題

「失点場面は、カウンターの止め方はよくなかったと思いますが、ただ森重(真人)もしっかりシュートコースに入って、当たったボールがアンラッキーだったという部分もある。ちょうど清武(弘嗣)のところにこぼれてしまった。丹羽(大輝)のプレーはもう少しゴール側から行かなければいけなかったと思いますが、そのあとは、しっかりと4枚戻ってシュートコースに入っていたので悪い対応ではなかったと思っています」
 10月20日のJ1第30節でセレッソ大阪に敗れた直接の原因はもちろんカウンター一発に沈んだ失点だ。しかし冒頭に掲げた長谷川健太監督のコメントを待つまでもなく、90分の試合で1失点は許容の範囲だろう。
 それよりも無得点で終わったことのほうが問題だ。FC東京がセレッソを圧倒していた前半24分に、ゴール裏から「シュート撃て」コールが発生したのは、フィニッシュの段階がうまくいっていなかったことの証左ではないのか。

 8試合未勝利がつづいた期間よりもコンディションがよく戦力が揃い、コンビネーションの出来、メンタルの状態もある程度よくなっていた。ピッチを5レーン式に割ったときの、右側のハーフスペースを衝く攻略法は一定の試行回数があれば確率的に1点は入るだろうと思わせるものだが、それでもなお一度もゴールを割ることができなかったことで、あらためて決定力の課題が浮き彫りになった。
 ならば平岡翼を使ってみてもよかったのではないかと言いたくなるが、練習で好調だったというリンスと前田遼一を逐次投入、その終盤にリンスが一度は決定的な場面をつくった以上、ベンチワークが失敗だったということにもならない。誰が出ても途中出場で決定的なシュートを1本撃てるくらいには、フィニッシュの手前までは、組織としては機能していた。

 リンスは後半44分の、右サイドネットを外から刺すに終わったあのシュートをこう振り返った。
「サイドバックからいいパスが来て自分もスピードで勝ち、ゴールキーパーをかわしてシュートまで行けたすごくいいプレーだったと思うんですけれども、

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