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「5mの距離からヘディングをされたらノーチャンス」と、林彰洋。積極的に“飛び出す”哲学、前に出る勇気で川崎を封じる!【今週の小平】

 

攻撃力の高い川崎フロンターレをいかに封じるのか。己の仕事を整理した林彰洋が多摩川クラシコに臨む。


◆出るべきか出ないべきか。それが問題だ
 
 ゴールキーパーの流儀は国、指導者、選手ごとに大きく異なり、まさに千差万別。絶対の正解はなく、各自が常に最善を追求し、試行しつづけている。
 守備範囲をどこまで広くとるか、前に出ていくか出ていかないかの判断をどうするかも、プレーの仕方を決めるうえで重要で、よく論議になり、試行錯誤の対象になるテーマだ。
 ご多分にもれずFC東京でもこの前に出るか出ないかの判断が失点に結びつくケースがあり、林彰洋がそこに関わったことで、あらためてキーパーはどうするべきなのかを考えさせられることになった。
 キーパーの安定感がチーム全体の出来を左右することは言うまでもない。守護神に迷いがあっては困る。
 
 多摩川クラシコを控えた今週、このところ迷いを払拭したと思しき林のもとを訪ね、このテーマについて訊いた。
「判断をよくしないといけない、というお話が以前にありましたが。出るべきところは前に出ないとかえってやられる、グレーなボールは弾いたほうがいいんだというサッカー観があって、守備範囲を広くとっているのでしょうか?」
 こう訊ねると、林は「そうですね、ジョアン(ミレッGKコーチ)ともその部分では、すごいやりとりをして」と苦笑いし、丁寧に解説を始めた。
 

ジョアン ミレッGKコーチとともに、常に最善を追求しつづけるFC東京のゴールキーパーたち。その議論は深い。


「相手のクロスが上がってきて、もしかしたら指先で触れるかもしれない、というようなボールがあったとして。でも、出なかったらヘディングで合わせられる、と。そこで5メートルくらいの距離からヘディングされ、ある程度シュートコースに飛んでしまったら、ノーチャンスに近いシチュエーションになる」
 
◆ヘディングをする相手との駆け引き
 
 至近距離でヘディングシュートまで持ち込まれた場合、相手にミスがないかぎり、ほぼ確実に失点するだろうというのが林の考えだ。
 
「というのと、

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