Jサポフリーペーパー文化。君は『アディショナルタイムズ』を読んだか?(J論)

後藤勝責任編集「トーキョーワッショイ!プレミアム」

「0-0でいいと思わず、自分がヒーローになるという気持ちできょうの試合に挑もう」ルヴァン8強進出決定! 先発平均年齢24.18歳の若き東京、“有言実行”矢島輝一の一撃でプライム行きの切符を掴む【ルヴァンカップ プレーオフステージ 第2戦】

 

「溜まりに溜まった」という想いが一気に吹き出た会心の一撃。矢島輝一のゴールにより、FC東京はルヴァンで8強進出を決めた。 © Ayano MIURA


 矢島輝一の雄叫びがヤンマースタジアム長居にこだました。6月26日、J1第16節vs.ベガルタ仙台戦の敗戦から中二日、フレッシュなメンバーでルヴァンカッププレーオフステージ第2戦vs.セレッソ大阪戦に臨んだFC東京は、第1戦を終えての1-0リードを活かして守備を固めたが、後半17分にブルーノ メンデスのゴールで失点。2戦合計1-1と並ばれてしまう。しかしその13分後、これまでJ3暮らしが長くJ1で結果を残すことができなかった矢島が待望の同点ゴール。トータル2-1と勝ち越した。この、会心の一撃により、仮に同点に追いつかれてもアウエーゴールルールの適用によってプレーオフステージ突破が決まる東京は、余裕を持って残りの時間を守りきり、同大会プライムステージへの進出を決めた。
 

「全員で戦った」と、チームとしての成果、結束を強調した長谷川健太監督。 © Ayano MIURA


 長谷川健太監督は「きょうはベンチメンバーも含めて全員で戦うという話をしました。最後まで全員で戦ってくれたと思っています」と、チームとしての成果を強調。リーグ戦2連敗によって暗雲が漂いかけていたムードを吹き飛ばすような内容で、東京は再びファイティングポーズをとることに成功。J1第17節vs.横浜F・マリノス戦、天皇杯、J1第18節vs.ガンバ大阪戦とつづく、残る連戦に向けて態勢を整えた。
 
※記事後半に内田宅哉、安部柊斗、矢島輝一が登場!!
 
◆試合経過~内田→インス→安部→矢島の合作ゴール
 

2戦合計で1-1の同点にされたあと、プレーオフステージ突破を決定的にするゴールが決まった。写真は矢島と得点を喜ぶ内田宅哉。 © Makoto MIURA


 この試合で東京はセレッソの得点を1に抑え、矢島の挙げたゴールで1-1の引き分けに持ち込んだ。この結果、2戦合計2-1としてプライムステージ進出を決めた。
 両ワイドに水沼宏太と田中亜土夢、2トップに柿谷曜一朗と高木俊幸を配して勝ちに来たセレッソに対し、ほぼJ3メンバーの東京は慎重な立ち上がり。前半40分に個人技で打開しようとした高木の突破をユ インスが防いだ場面のように、集中したディフェンスでゴールを許さなかった。
 まずはなんとしても同点に追いつきたいセレッソは後半9分、早くも田中に替えてブルーノ メンデスを投入、15分には水沼に替えて清武弘嗣を投入する。
 そして17分、さっそくその効果があらわれる。清武が送った絶妙なスルーパスに左外側から回り込んだ柿谷が追いつきゴール前へのパス。これに対してニアに入ってきたブルーノ メンデスが正確に決めて先制。2戦合計スコアを1-1とし、振り出しに戻した。
 勝ち越しゴールが欲しい東京はここで平川怜に替えて髙萩洋次郎を送り出し、配置と布陣を微妙に変える。髙萩はアルトゥール シルバとともにボランチを組み、ボランチだった安部柊斗にトップ下に任せる。2トップの一角だった大森晃太郎は平川のいなくなったサイドハーフに回り、矢島輝一が1トップになった。このあと東京は大森に替えて内田宅哉を後半26分から出場させ、さらに攻撃の姿勢を明確にする。
 するとスペースが空き始めていたこともあり、東京の攻撃も活性化。この策が連携によるゴールとなって結実する。
後半31分、ペナルティボックス幅右寄りのエリアでボールを保持していた内田が相手守備陣に囲まれて潰れたところ、このボールをインスがフォロー。中央左に送ると安部が受け、即座に左に入ってきた矢島へとパス。ゴールの幅を右から左へと回り込むつなぎで完璧に崩し、最後は矢島がゴール右隅へと正確に決めた。
 後半44分にはセレッソがゴール正面の直接フリーキックを獲得、東京はピンチを迎えたものの、柿谷の枠内シュートを守護神、林彰洋が弾いてセーフ。直後には安部が敵陣まで持ち上がり、安部コールを受ける一幕も。
 アウエーゴールリールにより、2点を獲らなければプレーオフステージでの敗退が決まってしまうセレッソはその後も猛攻を仕掛けるが、東京は5分間のアディショナルタイムをしのいでタイムアップ。若手の活躍でルヴァン8強進出を決めた。
 
「戦術的に戦わせました。戦術的に戦わせないと、ふつうにセレッソにやられてしまうと思っていた。全員が共通理解のもと、90分間戦ってくれたと思っています」と語る長谷川健太監督に、4-4-2で下がりながらのディフェンスについての要諦を訊ねると、こう答えられた。
「コンパクトに戦うという話をしました。どうしても前線から行くと間延びしてしまう、非常に暑いなかで戦わないといけない条件だったので。ゴールキックをつながせていいから、という話をして、引かせて、というかたちでした。点を獲らないといけない状況だと、たぶん、ああいう戦い方だと難しくなってしまうと思うのですが、アウエーゴールを一発獲れれば、という試合で、きょうは延長も覚悟で戦ったので。選手たちも非常にこちらの意図を汲んでしっかりと戦ってくれたんじゃないかと思っています」
 確かなゲームプランを遂行しきった東京。着実にチーム力は積み上がり、指揮官の仕事が冴えている。
 
◆替えられる直前に答えを出した矢島輝一の底力
 
「もう替えようかと思っていた矢先だったので、最後の最後でこういうかたちで結果を出し、チームの勝利に、ゴールにつながったことは彼の大きな自信になると思いますし、チームにとっても大きな結果だったと思っています」
 試合後、長谷川監督はこう語った。ゴールを決められないままピッチを去ろうとしていたまさにその寸前、

(残り 2817文字/全文: 5408文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック
« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック