今夏のJリーグ移籍市場の深層をベテラン代理人が明かす(J論)

後藤勝責任編集「トーキョーワッショイ!プレミアム」

根を張るように前線で起点となった久保征一郎、佐藤由紀彦から伝家の宝刀を受け継ぎつつある中村拓海――実り多き敵地での3-3ドロー【J3第16節相模原vs.東京レポート】

 

かつてFC東京で10番を背負っていた、SC相模原の三浦文丈監督。


若い選手たちを前向きにさせ、確実に能力を伸ばしている長澤徹トップチームコーチ兼FC東京U-23監督。


 開幕から5連敗と、例年通り序盤は成績不振でスタートしたFC東京U-23。しかし以降の10試合は4勝3敗3分と安定したペースで勝点を稼いでいる。
 順位を16位まで上げて臨んだ7月13日のJ3第16節は、相模原ギオンスタジアムでSC相模原と対戦。狙いとする攻撃を繰り広げ、3点を奪った。
 対する相模原も後半、攻撃的なメンバー交替が功を奏して3得点を挙げ、結果は3-3の引き分けに終わったが、東京の視点でも好ゲームと言っていい内容だった。
 
◆後半のファウルがゼロだったFC東京U-23
 
 かつてFC東京で背番号10をつけていた、相模原の三浦文丈監督も「3-3が妥当かな」と唸る伯仲の一戦。後半は東京のファウルがゼロ、後半30分までに限れば両チームともファウルがゼロというクリーンな試合であったのも特筆するべき出来事だ。双方とも、ファウルを冒さないと止められないくらいにいいプレーができていたことの証でもあるだろう。
 
 東京は同じような攻撃パターンで面白いようにチャンスをつくりつづけた。先制ゴールが特に白眉で、まず久保征一郎がクサビを収め、そこにユ インスが寄ってきてボールを受け取る。そこに相模原が引きつけられて空いた右サイドのスペースに中村拓海が走り込み、そこを見ようとして相模原の最終ラインがバラけて“点”になってしまった隙に、死角となるファーサイドに入ってきた原大智が左足で決めた。理知的でテクニカルな、質の高いゴールだった。
 相手を動かし、空いたスペース、特に右サイドにつくったスペースに入る。東京はこの狙いを貫徹していた。
 この攻撃面に焦点を当て、試合を振り返ってみよう。
 
◆長澤徹監督は高く評価
 
 長澤徹トップチームコーチ兼FC東京U-23監督は「未熟ながら、よく出ていって走った。やるべきことをしっかるやる、という点では、毎試合メンバーが替わるなかでも表現できるようになったのは収穫。ユースの選手も含め、最初の6連敗の頃に比べるとずいぶんたくましくなった」と、この一戦を評価した。
 
 観ていて気になったのは、愚直なまでに狙いとする攻撃に挑みつづけたところ。相手に追いつかれようが勝ち越されようが、心を折らずに攻めつづけたことは頼もしいが、一方ではそのディテールにこだわりすぎ、局面に持ち込む以前のゲームコントロールや試合運びの部分が若干不足しているようにも見えた。ボールを保持して時間を稼ぐ、あるいはボールを大きく動かして相手を振り回すなど、余白を活かす比率がもう少し高くともよかったかもしれない。
 この点について「スコアに関係なくやるべきかたちの攻撃ができたことをインテリジェンスが高いと見るか、それとも教わったことはできるが……と否定的な意味もあるのか、どっちでしょう?」と訊ねると、長澤監督はこう答えた。
「3点も獲れたということは悪くない。上々かなと思っています。ただ仰る通り、

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