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FC東京U-15深川出身の前橋育英高校#8稲村隼翔、“古巣”との対決に悔し涙も、参入戦進出争いに向け顔を上げる【アカデミー/プリンスリーグ/無料公開】

 

前橋育英高校の稲村隼翔。


 9月21日に高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2019 関東 第14節5試合が開催され、FC東京U-18は東京ガス武蔵野苑多目的グラウンドで前橋育英高校と対戦。3-0の勝利を収めた。
 
◆悔しさを語るも、最後は前を向いた深川出身の稲村隼翔
 
 前橋育英高校の最終ラインでセンターバックとしてプレー、声を上げてチームを鼓舞していたのは、FC東京U-15深川出身の稲村隼翔。跳ね返しなどで活躍したが敗れ去り、試合が終わった直後には悔し涙を流していた。
 クールダウンを終えた稲村は、さっぱりした表情で心境をこう語った。
「やっぱり、知っているやつばかりだったので負けたくなかったですし、チームとして3連敗していたので絶対に勝ちたかった。気持ちはみんな入っていた。悔しかったです」
 
 今シーズンのプレミア参入戦に於けるプリンス関東の出場枠は3。横浜F・マリノスユースとFC東京U-18の2強が他を引き離しているが、3位以内という目標に関して言えば、勝点18の前橋育英高校にもチャンスがある。実際、今節開始まで勝点19だった横浜FCユースは勝点を22に伸ばし、帝京高校を抜いて3位に浮上した。なんとしても白星が欲しかったことは確かだ。
「フロンターレ(第11節)から(プリンスリーグが)再開して、そこから3連敗してしまい、選手権に向けてもそうですけど、(プレミア)昇格のために、チームとして全員が強度を上げてもっと強くなっていこうと話し合いました。何回も何回も選手同士でミーティングをした結果、練習の雰囲気もよくなってきたので、きょうは負けてしまいましたけど、ここからまたつづけていけば、このあとの4戦(プリンス)も選手権も、いい雰囲気でできるのではないかと思います」
 
“古巣”のユースと小平で対戦するというシチュエーション、そして先発の機会を失っていたことで、個人としても士気は高かった。
「2戦連続でベンチ外だったので、ここにかける想いがあり、正直出番が回ってきて嬉しかった。勝ちたかったです」
 
 気持ちだけでなく、策も携えていた。
 ウイングバックも高い位置をとり、5トップ状になるFC東京U-18に対し、4バックの前橋育英高校はサイドハーフが下がって6バック状になる可変式のディフェンスライン形成を選択。これが効き、前半の深い時間までFC東京U-18の攻撃をある程度コントロールしていた。
「そうですね。練習でも、試合前にもその確認は入念におこなっていて、サイドハーフは運動量が多い選手なのでそこは気を遣ってくれていました。前半はよかったんですけど、後半疲れてきたなかで運動量が足りず相手に攻め込まれてしまったところは課題かと思います」
 
 敗れたとはいえ、手応えがあったことは間違いない。落ち込むのではなく、この感触を活かして前へと進んでいこうという気持ちが強い。
「残り4戦全部勝てばまだ(プリンス関東3位の)可能性がありますし、自分たちは高体連としてプリンスリーグでやらせてもらっていてかつ選手権という大舞台もあるので、そこに向けてがんばっていきたい」
 
 仕切ったり、荒れそうな場を収めたり。チームを思うコメントを残すにふさわしい人間力が、試合中に散見された。
「自分は夏から(1軍に)上げてもらったんですけど、監督にも自分たちのチームは人間性だと言われていて。チームが3連敗を喫しているなかで、誰かが引っ張っていかないといけないと感じて、いちばんうしろの選手から声をかければよくなるんじゃないかと思っていました」
 
 取材の最後には、東京のファンへのひとことを残してくれた。
「きょうは不甲斐ない結果でしたけど、自分は東京の試合もチェックしていたり、選手同士で連絡していたりします。
 きょうはほんとうに勝ちたかったですけど、まだ上回られているなと感じたので、これから課題に向き合ってもっと活躍するところを見せられたらと思います」
 残るプリンス4試合、そして全国高校サッカー選手権大会に向けて立ち止まっている暇はない。深川の漢として今後の活躍に期待したい。

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『青赤20倍!トーキョーたっぷり蹴球マガジン』は、長年FC東京の取材を継続しているフリーライター後藤勝が編集し、FC東京を中心としたサッカーの「いま」をお伝えするウェブマガジンです。コロナ禍にあっても他媒体とはひと味ちがう質と量を追い求め、情報をお届けします。

 

 

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◎後藤勝(ごとう・まさる)
東京都出身のライター兼編集者。FC東京を中心に日本サッカーの現在を追う。サカつくとリアルサッカーの雑誌だった『サッカルチョ』そして半田雄一さん編集長時代の『サッカー批評』でサッカーライターとしてのキャリアを始め、現在はさまざまな媒体に寄稿。著書に、2004年までのFC東京をファンと記者双方の視点で追った観戦記ルポ『トーキョーワッショイ!プレミアム』(双葉社)、佐川急便東京SCなどの東京社会人サッカー的なホームタウン分割を意識した近未来SFエンタテインメント小説『エンダーズ・デッドリードライヴ』(カンゼン)がある。2011年にメールマガジンとして『トーキョーワッショイ!MM』を開始したのち、2012年秋にタグマへ移行し『トーキョーワッショイ!プレミアム』に装いをあらためウェブマガジンとして再スタートを切った。

 

■J論でのインタビュー
「ライターと編集者。”二足の草鞋”を履くことになった動機とは?」後藤勝/前編【オレたちのライター道】

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