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アルトゥール シルバJ1初先発初ゴール!! 髙萩洋次郎、橋本拳人との中盤揃い踏みで4試合ぶりの白星をもたらす【J1第29節「ヴィッセル神戸vs.FC東京」レポート】

 

「シャー」をするアルトゥール シルバ。 ©Makoto MIURA

 青赤軍団が再起した──。

 10月19日、FC東京はノエビアスタジアム神戸でJ1第29節に臨み、ヴィッセル神戸と対戦。1-3のスコアで勝利を収めた。得失点差によって2位のままではあるが首位の鹿島アントラーズと勝点で並び、優勝の可能性を残す貴重な1勝だった。
 神戸対策によって採用した4-2-3-1のトップ下で、マッチアップする相手のアンカー、セルジ サンペールを抑えていた髙萩洋次郎が開始早々の前半6分に先制ゴール。4分後には、先制点の起点ともなっていたアルトゥール シルバがスローインからの展開で豪快なミドルシュートを決めて2点目。そして34分には橋本拳人が長い距離を走りディエゴ オリヴェイラとの長いワンツーを成立させて3点を奪った。
 前半42分にセルジ サンペールを下げて修正した神戸は後半、猛攻に出て右コーナーキックからのジョアン オマリのヘディングシュートで1点を返すも、反撃はここまで。確実に3ポイントを奪おうとコーナー付近やサイドのスペースでボールを保持して時間を使った東京が2点のリードを保ったまま試合を終えた。

◆つぶらな瞳の“アルさん”がついにJ1初先発

 5-1-2-2(3-3-2-2)のアンカーを務めるセルジ サンペール封じ役としてのトップ下に髙萩洋次郎を起用したこともあり、長谷川健太監督は「練習試合等々で好調だったので思い切って起用しました」と言いつつ、橋本拳人の相棒にアルトゥール シルバを選んだ。

ボールを保持するだけでなく得意のミドルシュートやクロスなど攻撃面でも貢献した。 © Ayano MIURA

 まだ青さが残る24歳。アルトゥール シルバは新体制発表から今シーズンのチームに参加し、冬のキャンプから球際に厳しいディフェンスと攻撃意欲の高さをアピールしたが、ボランチのレギュラーである髙萩と橋本の壁は厚く、長時間の出場はルヴァンカップなど他の大会に留まり、1月の始動から数えて9カ月が経つまでJ1で先発する機会は一度もなかった。それでもサイドバックでの兼用にとどまらず、ボランチでプレーする機会は増えていき、少しずつではあるが評価は高まっていった。

 弱音を吐かないアルトゥール シルバの代わりに、彼を見ていたチームメイトの代表として橋本がこう心情を語ってくれた。
「初めての先発ですばらしいシュートが入って刺激されたので、ぼくも決めようと思って(3点目を)決めました。(アルトゥール シルバは)思い切ってやっていた。チームメイトみんなが刺激を受けたと思う。試合に出られなくても腐らず練習する姿をみんなが見ていました。それが結果にあらわれ、チーム全体として喜べた。こういうことがつづけばいいなと思います」

 アルトゥール シルバの言葉は前向きだった。
「日本に来てから先発で出るため、

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