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韓国トリオの東京魂。オ ジェソク「本人たちには言っていないけれど……」先輩としてありがたいと思う気持ち【1%の奇跡を起こすために<2>】

 

いつもチームを支えようとするオ ジェソク。最終節に出番は巡ってくるのか。 © Ayano MIURA


 ディエゴ オリヴェイラと永井謙佑が相次いで負傷し、途中でピッチを去ったJ1第33節。途中出場の一番手は田川亨介、その後ナ サンホとユ インスが入った。韓国勢ふたりはいかにもFC東京の一員らしく、泥臭く走った。この姿勢を見てオ ジェソクは「先輩として感じる部分も多かった」と思ったという。
 
◆オ ジェソクと彼の周囲
 
 現在の東京は内外から「一体感がある」と言われる。そしてこの一体感は、誰かひとりではない、柱となる複数の人物がチームメイト同士をつなぐ役割を果たし、醸し出している。選手にかぎって言えば、もっともわかりやすいのは、キャプテンの東慶悟、ベテランとされる森重真人や髙萩洋次郎といったところだろう。三田啓貴もアカデミー卒の選手たちをよくまとめている。そしてオ ジェソクもまた、陰日向にチームを支えようとしている。同じポジションであるサイドバックの選手たちとフェアに競い、同じ国籍の韓国人選手たちと友好的に接する。
 
 10月の末だったか、ミックスゾーンを通りがかったナ サンホに何事かいじられていたオ ジェソクは「ちょっとふざけてますよね」と言い、苦笑いを浮かべた。もちろん、ユ インスやナ サンホと仲が悪いわけではない。
「仲いいですよ、全然問題ない。少し年齢差はありますけど優しい子たちなので」
 

チームによくなじんでいるユ インス。 © Ayano MIURA


 韓国の若者たちは髙萩洋次郎と接することも多いようだが――と水を向けると、オ ジェソクはかのベテランを讃えた。
「洋次くんはふつうに韓国語が上手です。自分がいままで出会った日本人の選手のなかで韓国語の発音がいちばんいい選手だし、人間性もすばらしいし。洋次くんが練習のときにぼくも含めて、いつも韓国語で話をしてくれる。そういう配慮がいい方向に向かっていると思う。感謝しています」
 
 そういうあなたも日本語が上手だと伝えると、答えは「加地(亮)さんのおかげです」だった。東京からガンバに移籍した青赤戦士のおかげで、オ ジェソクが現在の東京に適合できていると考えると、ひとの循環がすべて運命で決まっているのではないかと思えてくる。
 
◆髙萩洋次郎が語るオ ジェソク
 
 それから二週間ほどして、今度は髙萩がオ ジェソクを讃えた。
「(ジェソクは)

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