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AFCカップに臨む嶺岸光が感じた、ACL勢との僅かな差【play back ACLプレーオフ/無料公開】

 

©Ayano MIURA

 ACLプレーオフは本戦に出場できるか否かを分ける試合だったが、味の素スタジアムで敗れたセレス ネグロスの、アジアでの戦いが終わったわけではない。FC東京が2月11日から始まるACL本戦に出場する一方、セレス ネグロスはAFCカップに出場する。ACLが欧州に於けるUCLに該当するとするなら、AFCカップの占める位置はヨーロッパリーグ(UEL)に相当する。セレス ネグロスにはまだこの大会のチャンピオンをめざす仕事が残っている。

◆本来のスタイルではなかったセレス ネグロス

 水たまりでボールが止まってしまうピッチコンディションで、1月28日の東京には、当初得点できそうな予感は漂っていなかった。浮き球を駆使し、あるいはセットプレーのチャンスをうかがうセレス ネグロスが先制すれば、勝負の行方は変わっていたかもしれない。
 試合後の共同記者会見でリスト ビダコビッチ監督に「セットプレーでいいボールが入っていたが、FC東京を分析しきっていたのか?」と訊ねると、巧みと思えたいいボールが、決して本意ではないことがわかった。
「もちろんチームを分析することは大切だと思うのですが、いかに分析しきったとしても、このような天候だと、もともと持っていた予想が大きく外れてしまうという印象を持っています。今回も、もともと予定していた計画を大幅に変更する必要が出てきてしまい、我々のスタイルでもあるショートパスをつなげていくスタイルから今回の天候を見てまったくちがうプレースタイルにしなくてはいけなかったので選手も慣れないスタイルを強いられたのかなという印象が強いです」
 乾いたピッチで戦った場合にどちらが優位に立ったかは確かめようがない。ただ、戦術面でも体力面でもセレス ネグロスに大きく劣ったところがなく、拮抗した、東京が敗退する危険性もあった試合であったとは言えるだろう。

◆AFCカップにまわるセレス ネグロスにとっては自信をつけたゲーム

 ミックスゾーンではフィリピン代表キャップを持つ日系のプレーヤー、嶺岸光に話を訊いた。中盤の日本人、小田原貴と隣接するようにして左サイドを担当していた彼は、東京の右サイドバック、室屋成と対峙する恰好になる。室屋には「前への推進力や一瞬のスピード、前に仕掛けてくるメンタル」があると、嶺岸は感じた。
「自信を持ってやっているな」
 このマッチアップに嶺岸は相当意気込んでいたようだったが「もうちょっとできるかと思っていました」と、試合後は残念そうだった。
「ピッチがピッチだったので……持ったら前に行こうという気持ちはありました。(しかし)なかなかボールも持てないし、セカンドボールを拾う役割だったので。もうちょっといいピッチでやりたかったなと思います」
 それでも、手応えは感じられた。足許に入ったときに1対1で仕掛ける、それが嶺岸のストロングポイントだが「そこは一瞬でも通用した。シュートまで行くことができた」と、個の力をJ1相手に確かめることができたのだ。
 この対比をチーム全体に拡げても、セレス ネグロスがたとえば戦術的に大きく劣っているとは感じられなかった。サッカーが世界全体で平準化してきている現状で、突き詰める努力をすれば、日本でもフィリピンでもある一定の水準に到達しうるという証のような試合。その90分間が終わったあと、嶺岸が言うには、セレス ネグロスの選手たちは口々に「いい試合だったね」「やれたね」と言葉を交わしていたのだという。
「悔しいなかでも得たものはあったのかなと思います。やっぱり、どうしてもFC東京、Jリーグのチームとなると、みんなのイメージが『すごく強いチーム』というものになっていたので、受け身になっていたのかもしれない。でも『いい試合ができた』というこの経験が、次のAFCカップに活きてくるんじゃないかと思います」
 ACLとAFCカップの差は肉薄している。決して遠く離れたものではない。戦うステージの連続性を実感できたことが、セレス ネグロスの選手たちにはなにより収穫であっただろう。
 ACLにギリギリ出られなかったというラインに来たことで、めざすサッカーのレベルは見えたか──と訊ねると、嶺岸はこう答えた。
「そうですね、やっぱり自分たちのやるべきことというか──、一人ひとりがハードワークできる、一人ひとりのためにみんながハードワークできるというチームのストロングポイントが明確になったかなと思うので、より自信を持って、AFCカップで対戦するチームにぶつけていければと思います」
 頭部に傷を負った小田原は「単純に(切った箇所の)痛みだけだったので『すぐ行けるよ』と」チームスタッフに伝えたという。その闘気、激しく戦う姿勢は東京を相手にしてもひけをとらなかった。J1のチームを相手に本気で勝利を狙う試合ができた以上、AFCカップのライバルたちを畏れる必要はない。

©Ayano MIURA

「ピッチがピッチだったので、前に行ってセットプレーをもらえたらチャンスがあるなと思っていました。1点獲ったらわからないな、と」(嶺岸)
 そう思えるほど、ACLプレーオフ突破に接近していた。ただその一方で「でもやっぱり最後のところをやりきれない、やらせてくれない、そこがちがいなのかなと思いました」と、彼我(ひが)の差を感じてもいる。その首の皮一枚の差を乗り越えることが、次なる目標となっていくのだろう。
嶺岸は言う。
「自分たちは今回、AFCカップにまわります。セレスはそこで優勝したことがあるので、次はそこをターゲットにやっていこうという話がロッカールームでもありました。
 日本がいまアジアでいちばんレベルが高い。監督もそう言うくらいJリーグとFC東京さんをリスペクトして試合に臨もうということでしたが、自分は常にそのレベルの高い環境に身を置きたい。そのためにはもっともっと活躍してアピールしないといけない。AFCカップがJリーグにつながるかはわかりませんが、目の前のことをやるだけです」
 地球のどこにいてもピッチの上はつながっている。ACLプレーオフは、セレス ネグロスの奮闘がアジアのスケールを感じさせてくれる一戦だった。ACLと同じタイミングで、AFCカップというもうひとつの大会が走り始める。そのことを意識しながら2月11日を迎えると、アジアの戦いはより味わいを増す。

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◎後藤勝(ごとう・まさる)
東京都出身のライター兼編集者。FC東京を中心に日本サッカーの現在を追う。サカつくとリアルサッカーの雑誌だった『サッカルチョ』そして半田雄一さん編集長時代の『サッカー批評』でサッカーライターとしてのキャリアを始め、現在はさまざまな媒体に寄稿。著書に、2004年までのFC東京をファンと記者双方の視点で追った観戦記ルポ『トーキョーワッショイ!プレミアム』(双葉社)、佐川急便東京SCなどの東京社会人サッカー的なホームタウン分割を意識した近未来SFエンタテインメント小説『エンダーズ・デッドリードライヴ』(カンゼン)がある。2011年にメールマガジンとして『トーキョーワッショイ!MM』を開始したのち、2012年秋にタグマへ移行し『トーキョーワッショイ!プレミアム』に装いをあらためウェブマガジンとして再スタートを切った。

 

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