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復活の鈴木喜丈「昔のことは忘れて、またゼロから積み上げていけるようにがんばります」【無料公開/メディア公開9日取材分第1報】

 

3月9日の練習ではサイドバックとしてプレーした鈴木喜丈。


 新型コロナウイルス感染拡大に伴い練習の非公開化に移行してから三度目となるメディア対応が3月9日におこなわれた。1時間あまりに渡っておこなわれた全体練習の主なメニューのひとつは、4日にも実施した3+1対3+1。今回はボール供給役の前に3枚のダミー人形が設置してあった。もうひとつは相手ディフェンスなしで11人がボールをつなぎフィニッシュまでのかたちを構築していく攻撃練習。この11人での練習でサイドバックを務めていたのは、合流してから一カ月が経つ鈴木喜丈だ。「ポジションはいろいろやっている感じですね。サイドバックはきょう初めてやりましたけど、センターバックなりボランチなりいろいろ、という感じです」。出場機会を掴むためのひとつの挑戦と言えるのかもしれない。
 
 長谷川健太監督は「左サイドバックは開幕戦では(中村)帆高がまだまだですが、まずしっかりと試合をやれたことはよかった。(バングーナガンデ)佳史扶にしても能力の高い選手だと思う。今後しっかり使えるようにしていきたい」と言い、他のポジションと同様、J1公式戦で起用できる水準の戦力を揃えていく考えのようだ。佳史扶は本職だが、帆高はサイドバックとはいえ右が第一ポジション。背番号35のこの男も、やっておいて損はない。
 
◆技術はやっていくうちにどんどん慣れていく
 
 2018年の4月に離脱し、まるまる2シーズンを棒に振った。それでも「サッカーをしているあいだは全然問題はない。練習前はちゃんと準備しないと少し不安ですが」と言えるほど“平常運転”に戻っている。
 
 トレーニングを見ていても、生じるミスはあくまでも他の選手と同じレベルで自然にプレーしたうえでのもの。技術的な問題は感じられない。左足の感覚はどうか――と訊ねると、彼はこう答えた。
「体力は落ちましたけど、技術はやっていくうちにどんどん慣れていって、けがをする前がどういう感じだったか覚えていないくらいです(笑)、もはや。でも、いい感じというか(以前と)遜色なくという感じはあります」
 
 アンカーのポジションから鋭いパスを供給し、自らも前に出ていく。そのようにイメージできたかつての強さからそうかけ離れていないように感じられるが、鈴木自身は成長のために別の課題を捉えていた。
「いまのサッカーだと運動量が求められます。自分としては運動量はそんなに多いイメージはなかったので、ボランチをやるならもっと運動量を増やしていかないとスタメンを狙っていけないんじゃないかと思います。どこをやるにしろ試合に出るのがまずいちばん。やれるようにしたい」
 
 まだ試合の感覚についてはわからないが、練習については合流した当初よりもこなせるようになってきたという感覚はある。そこに松葉杖をついていた頃の面影はない。
「いまとなっては『ほんとうにけがをしていたのかな?』という感じなので。もう、昔のことは忘れて、またゼロから積み上げていけるようにがんばります」
 すっかり健やかな状態を獲得した鈴木喜丈。まずは厳しい競争を存分に味わってほしいところだ。
 

鈴木喜丈の復帰を心待ちにする横断幕。 © Ayano MIURA


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◎後藤勝(ごとう・まさる)
東京都出身のライター兼編集者。FC東京を中心に日本サッカーの現在を追う。サカつくとリアルサッカーの雑誌だった『サッカルチョ』そして半田雄一さん編集長時代の『サッカー批評』でサッカーライターとしてのキャリアを始め、現在はさまざまな媒体に寄稿。著書に、2004年までのFC東京をファンと記者双方の視点で追った観戦記ルポ『トーキョーワッショイ!プレミアム』(双葉社)、佐川急便東京SCなどの東京社会人サッカー的なホームタウン分割を意識した近未来SFエンタテインメント小説『エンダーズ・デッドリードライヴ』(カンゼン)がある。2011年にメールマガジンとして『トーキョーワッショイ!MM』を開始したのち、2012年秋にタグマへ移行し『トーキョーワッショイ!プレミアム』に装いをあらためウェブマガジンとして再スタートを切った。

 

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