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若林史敏運営管理本部長インタビュー~FC東京ホームゲーム、新型コロナ禍への適応

 

7月18日に開催されたJ1第5節浦和レッズ戦に於ける、味の素スタジアム総合案内所前の様子。


 新型コロナウイルス禍によってシーズンが半年に圧縮された2020年のJリーグ。日程が大幅に変わったばかりか、無観客のリモートマッチ、強い制限付きの有観客試合ではこれまでにない会場運営やチケッティングを迫られている。この変化にFC東京はどう対応し、ホームの雰囲気をつくろうとしたのか。Jリーグの運営担当者会議に出席して意見を出す立場にある若林史敏運営管理本部長に訊いた。
 
◆日程に対してクラブの都合を言うのは難しい
 
――まず、緊急事態宣言が発出されるより以前に、開幕直後の試合のみが延期されて様子を見ていた時期がありましたね。2月29日に予定されていたJ1第2節横浜F・マリノス戦、3月8日の同第3節浦和レッズ戦といったドル箱カードが軒並み順延となり、これが水曜開催になった場合、当初の見込みより減収になるといった問題がありました。
 
若林史敏運営管理本部長 3月の試合をどこに持っていくかという話と、それと同時期にACLをどうするかという変更の流れもありました。ACLは水曜に入ってくるから、リーグ戦を祭日とか土日にうまく入り込めるように、と。そのときは2週間単位で再開時期と変更後の日程を検討していました。そのときはあまり事態が大きくならず、1カ月か2カ月で収束するだろうという想定でした。どちらかというとチケッティングのほうが問題でしたね。発売を決めてはキャンセルの手配をしなくてはいけないという状態でしたから。
 
――それまでは台風や雷で試合の予定が吹っ飛んだのと同じような扱いだったのですか?
 
若林本部長 そうですね。4月、5月からできるのではないかという淡い期待を持ちながら検討していたわけです。緊急事態宣言後に、期限を定めず当面の間できない、ということになり、一気にJリーグが遠いものになりました。あらためて動き出したのは、無観客試合でやることが決まってからですね。さすがに6月以降となると、Jリーグの公式戦を何とかシーズン中にすべて行うことがJ全体の共通した意識であり、日程に対してクラブの都合ばかりを言うのは難しい状況でした。
 
――再開初期の無観客試合や超厳戒態勢の試合は近場同士でやらないといけませんが、そこで収益減となるのも仕方がないと。
 
若林本部長 大阪ダービーもそうですし、横浜ダービーもそうですし、みんな同じですから。自分なりの思惑はありましたがさすがに言えなかった。ほかのクラブから

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