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波多野豪、“先輩” 坂元達裕のシュートを弾き堂々クリーンシートのJ1デビュー。“猛守”復活の青赤軍団、“巧守”の桜軍団を相手に手応えの残る引き分け【J1第9節「セレッソ大阪vs.FC東京」観戦記】

 
 今シーズンの試合後記事としてお届けする「観戦記」。波多野豪のJ1デビュー、そして彼と2学年ちがいでFC東京U-15むさしでの“先輩”に当たる坂元達裕がセレッソ大阪の一員として出場と、勝敗以外のところでも話題が豊富だった8月9日のJ1第9節、セレッソ大阪戦について書いていきます。
 ちなみに坂元、むさしから前橋育英高校までの同期だった小泉佳穂とは高校卒業時に進路が分かれ小泉は青山学院大学に、坂元は東洋大学へと進学しますが、その後それぞれFC琉球とモンテディオ山形に加入、同じJ2で接点が出来ました。2019シーズン3月24日のJ2第5節(NDスタ)は1-1の引き分け。ただし残念ながら小泉はメンバーに入っていませんでした。二巡目の対戦となった9月23日の第33節(タピスタ)ではふたりともメンバーに入っていましたが、先発の坂元が後半29分に退いたあとの38分から小泉がピッチに入ったため直接対決はなし。その点、この日のセレッソ戦ではむさしで1学年差の安部柊斗が同サイドに寄ってくるインサイドハーフを務め、ゴールに迫れば波多野と対峙したわけで、かなり気持ちが入っていたものと思われます。
 いずれにしても特別指定で山形に参加したうえで加入した坂元は1トップ2シャドーの一角で新人ながら7ゴールをマークする活躍を見せ、これがむしろ活躍しすぎ、山形にしてみれば有望な選手を持っていかれる恰好になりましたが、坂元にしてみればJ1のセレッソへと移籍したのは紛れもない飛躍。そしてFC東京トップチームと対戦する権利を自ら得たわけですから、この間の努力たるや賛辞を送らないわけにはいかないでしょう。
 
◆守備側に振ってきた青赤軍団
 
 余談が長くなりましたが、戦術面の課題が残る東京にとっては、それを整理して臨む、テーマが明確な試合でした。橋本拳人がいなくなった状態で中盤をドイスボランチにするのか1アンカー+2インサイドハーフにするのか、攻撃力を買って採用した3トップでしたがブラジル籍選手たちにどこまで守備のタスクを負わせるのか、そして球際やハードワークといった本質の迫力が薄れた点をどう改善するのか。
 攻撃側に振れた今シーズンのここまでを踏まえ、試合前日の森重真人は「今シーズンは失点が多い。攻撃も守備もバランスが大事なので、そこのバランスを探して練習に取り組んでいます」と言っていましたが、

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