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用兵の妙でマッシモ采配を上回った健太トーキョーの勝利。ルヴァンで川崎フロンターレと引き分けたJ1最強クラスの名古屋グランパスからFC東京が3ポイントを奪う【J1第10節「FC東京vs.名古屋グランパス」観戦記】

 
 今シーズンの試合後記事としてお届けする「観戦記」。今回は室屋成のFC東京ラストマッチとして人々の耳目を集めた8月15日のJ1第10節、名古屋グランパス戦について書いていきます。
 水曜日にルヴァンカップを戦った名古屋は中2日。一方、東京は中5日。体力面のハンディキャップを考えれば東京有利となるでしょうしそれが夜間にもかかわらず気温 30.4℃の味の素スタジアムで影響しないはずがないのですが、それよりもサッカーの中身に着目したい試合でした。ルヴァンカップで川崎フロンターレと引き分け、現在のJ1上位勢でもっとも高い水準のパフォーマンスを発揮している名古屋であれば、少々の不利は跳ね除けてくるはずだからです。
 名古屋と東京はチームづくりの進め方が対照的です。昨シーズン終盤、マッシモ フィッカデンティ監督が新指揮官となった名古屋は当然のように守備から立て直しを図り、そして今シーズンは攻撃力を強化してバランスのとれたチームになってきています。プレシーズンマッチで近隣のFC岐阜と対戦したときの内容に顕著でしたが、敏捷性と技術に優れた前線やサイドバックが相手を振り回すさまはJリーグトップクラスと形容するにふさわしいもの。一方の東京は得点数増加を狙い4-3-3で撃ち勝つサッカーを志してきましたが代償として失点数が多く、J1第7節鹿島アントラーズ戦では2失点で引き分け、第8節サガン鳥栖戦では3失点で敗れるにいたり、とうとう守備面の本格的な改善に乗り出します。攻守のバランスをとる――このテーマを掲げて戦った第9節はセレッソ大阪とスコアレスドロー。今節はその無失点を維持したままゴールをマークして3ポイントを挙げられるかどうかに焦点が当たっていましたが、まさに注文通りの1-0勝利という結果に終わりました。ではそのバランスのとり方とはどのようなものだったのでしょうか。
 
◆ディエゴでも機能したサイドの攻守
 
 4-1-2-3を4-4-2にするのではなく、4-1-2-3のままで攻守のバランスをとる。この解が非常に面白いのはセレッソ戦をご覧になった東京ファンのみなさまならばおわかりだと思いますが、名古屋戦では

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