ルヴァンカップファイナルの日に考える、古くからの港町をホームとする横浜F・マリノスとヴィッセル神戸が牽引する2021年のJリーグ。FC東京は……【冒頭無料】
先日、とある演芸場を訪れた。まだ笑いらしい笑いをとれない序盤の数人目にあらわれたその芸人は、場をほぐす役割をまっとうしようと、平易な語り口の漫談をおこなっていた。そしてお客さんをこういじった。
「東京以外から来たという人?」
挙手を求めるが、コロナ禍以後のダメージもあってまばらな客席からは当然のように手が挙がらない。すると芸人はこう言った。
「あまりいないんですよね。この間、神戸から来ましたという人がひとりいたけど」
そしてこうつづけた。
「兵庫県、とは言わないんですね。横浜もそう。県名は言わない。よほど(自分の街に)自信があるんでしょうね。共通点と言えば中華街があるくらいですけど……」
中華街があるということは、古くからの港町だということ。横浜と神戸が港町だと知っていて言及しなかったのか、それとも彼が気が付かなかったのかはわからない。だが、たとえ知っていたとしても、1859年開港の横浜と1868年開港の神戸が、異国からやってきた者たちによっていち早くフットボールに触れ、いわゆる“サッカーどころ”であることまでは知らなかったのではないか。
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