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FC東京選手会がオンライン小学校訪問を実施【無料公開/ニュース】

 

調布市立上ノ原小学校の様子。©F.C.TOKYO


府中市立第十小学校の様子。©F.C.TOKYO


 11月9日、FC東京選手会がオンライン小学校訪問を実施した。ホームタウン地域を小学校を対象としたふれあいは2008年から毎年継続しているが、コロナ禍により2020年に引きつづき今年もオンラインで実施。この日は 調布市立上ノ原小学校の子どもたちとの交流を内田宅哉と蓮川壮大が、府中市立第十小学校の子どもたちとの交流を林彰洋とバングーナガンデ佳史扶がおこなった。
 
◆府中市立第十小学校【林彰洋、バングーナガンデ佳史扶】
 

林彰洋。©F.C.TOKYO


 府中市立第十小学校では冒頭、学業と部活動の両立について選手ふたりが話した。林彰洋は「こう言うと怒られそうですが」と前置きして、小学校から中学校の間はサッカーに没頭していたこと、しかし大人になった現在から考えると、やはり両立させたほうがいいと思う──と反省的な弁。一方、バングーナガンデ佳史扶は、小学校まではサッカーばかりだったが学業を重視するFC東京U-15深川に進み、勉強をしないとサッカーが出来ない環境になったことで、睡眠に差し支えないよう、学校から帰宅後クラブの練習に行く前に勉強をするようになったと回答。時間の使い方についてのライフハック的な意味を含めつつかつての自身を振り返っていた。
 
 小学校訪問が終わったあとはWeb囲み取材。終了まで話しまくったふたりを代表して、林にこうしたピッチ外の活動についての想いを訊ねた。「どのクラブでも選手のコンディションを考えて課外活動を抑えつつも、しかし地域活動やイベントもやらなければとせめぎ合いになっていると思うが、選手としてどういう折り合いをつけているのか」と訊くと、林はこう答えた。
 
「ぼくはJリーグのチームは3チーム目で(帰国後、清水→鳥栖→東京)、地方のクラブにも所属させてもらった経験があるので、ほかがどのように小学校訪問との関係性をとっているかある程度把握しているつもりではいるんですけど──ぼくはいちサッカー選手として選手がやらなければいけないことのひとつに子どもたちに影響を与える存在であることがあり、それが大事だと思っています。
 これは選手としてのひとつの義務なのかなと思います。というのも、選手たちにこの距離感で触れ合える場を小学生につくろうとしてもなかなかつくれない。そのようななかで、サッカークラブが学校と連結して、参加する選手に話の上手下手はあるかもしれませんが子どもたちに何かを伝えることで『サッカー選手はこういうスタンスなんだ』という気付きになればとは毎回思っています。
 
 特に東京の場合は、より多くのエンタメ、野球だったりバスケットボールだったり芸能だったり、そういういろんな振り幅があるなかで、そこでよりFC東京に向いてほしいと思うのであれば、ぼくらのやっている活動やその意義を、彼ら(子どもたち)に少しでも知ってもらう状況もつくらなきゃいけない。そして彼らに『サッカー選手ってすごいよね、サッカーってすごいよね』と思ってもらえる状況にしないといけないと思っています。
 一年に一回こういう機会があるかないか、本来なら直接彼らに触れ合えればいいと思っているんですけど、そうじゃなくても、彼らにとっても一年間に一回、もしかしたら六年間に一回あるかないかの出来事だと思うので、ぼくらは労を惜しまずにやったほうがいいのかなと思っています」
 

バングーナガンデ佳史扶。©F.C.TOKYO


 ちなみに小学校訪問中、林の力強い喋りに大きく頷いていたバングーナガンデ佳史扶は「すごく話がわかりやすく、入ってくるなと思いました。納得出来るというか、ぼくも学べました」と言い、林に「そんなに褒めても何も出ないからな!」と、ツッコまれていた。それでも「いやでも、ほんとにわかりやすかったです(笑)」と返す辺りが、いかにも佳史扶らしかった。
 
◆調布市立上ノ原小学校【内田宅哉、蓮川壮大】
 
 調布市立上ノ原小学校では冒頭、夢を持つことの大切さについて選手ふたりが話した。 蓮川壮大は「小学校5~6年生の頃から本気でプロサッカー選手になりたいという夢を持っていた」と吐露。夢のために他を犠牲にして時間を費やすことが自分を成長させてくれると訴えていた。一方、内田宅哉は対称的に「プロサッカー選手になるという夢はなかった」と振り返り、しかしサッカーに熱中していた経験から夢中になれるものを持つことが大切だと伝えていた。
 

内田宅哉。©F.C.TOKYO


 このようにかつての自分を思い起こしながら答えることが多かったこの日の小学校訪問。子どものときと現在とで変わったところ、あるいは変わっていないところはどこかを訊ねると、こういう答えが返ってきた。

「変わっていないところはサッカーに対する情熱でしょうか。ずっとプロサッカー選手になりたいという目標を掲げてサッカーをやってきて、実際にプロサッカー選手になったいまでもいい意味でもまだ実感がないというか。いま、いちサッカー選手としてまだ上をめざしていかないといけないという気持ちでやれていますし、あらためてプロサッカー選手になる小さいときからの夢が叶っている状態はほんとうに幸せなことだと思っています。
 夢を叶えられずにサッカー人生を終えることがほとんどだと思うので、そのなかでサッカー選手になれているいまの状況はほんとうに幸せなこと。やれることを100%やってもっと上に行きたいなと、あらためて思いました」(蓮川壮大)
 
「やっぱりサッカーの楽しさ、ゴールを決めたときの喜びとかは小さい頃から変わっていないですね。変わったといえば、プロサッカー選手になって応援してくれる人も増え、高校を卒業してプロサッカー選手になったときよりも年々責任感は増してきているとは思うのでそれ相応のプレーをしていかないといけないと思うようになったこと。そこの責任を果たさないといけないというのは、すごく感じています」(内田宅哉)
 
 この日、小学校訪問に参加した4人はみな負傷離脱中。子どもたちとの交流を通じてあらためて己を見つめ直し、復帰への想いを強くしたようだ。
 

蓮川壮大©F.C.TOKYO


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◎後藤勝(ごとう・まさる)
東京都出身のライター兼編集者。FC東京を中心に日本サッカーの現在を追う。サカつくとリアルサッカーの雑誌だった『サッカルチョ』そして半田雄一さん編集長時代の『サッカー批評』でサッカーライターとしてのキャリアを始め、現在はさまざまな媒体に寄稿。著書に、2004年までのFC東京をファンと記者双方の視点で追った観戦記ルポ『トーキョーワッショイ!プレミアム』(双葉社)、佐川急便東京SCなどの東京社会人サッカー的なホームタウン分割を意識した近未来SFエンタテインメント小説『エンダーズ・デッドリードライヴ』(カンゼン)がある。2011年にメールマガジンとして『トーキョーワッショイ!MM』を開始したのち、2012年秋にタグマへ移行し『トーキョーワッショイ!プレミアム』に装いをあらためウェブマガジンとして再スタートを切った。

 

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