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誰もが頭の隅に描いていた正答で勝利を掴んだ森下東京【J1第37節「サンフレッチェ広島 vs. FC東京」観戦記】

 
 今シーズンの試合後レポートとしてお届けする「観戦記」。今回は11月27日、エディオンスタジアム広島でおこなわれたJ1第37節サンフレッチェ広島戦について書いていきます。
 もうさんざん言われていると思いますが、最終節を迎えるよりも少し前に4シーズン率いてきた監督が退任、内部昇格したコーチが指揮を引き継いだチーム同士の対決とあって、観る側としてもまあお互い苦労するよな、と慮りながらの対戦となりました。残留争いに絡まない。ACL出場権獲得争いにも絡まない。来季につなげようにも続投する指揮官がいない。来季の契約や移籍の話が飛び交い、選手もスタッフも身の振り方を考えないといけない。そんなシーズン最終盤にどのようなモチベーションで臨むのか。どちらも気合いを入れるのは難しいところです。しかしそんななかでも古巣に戻ってきた広島の塩谷司には沢田監督を勝たせたいという想いがあったでしょうし、髙萩洋次郎にしても仕事人として職務をまっとうしたいというプロ魂があったでしょう。何やかやと言いつつも、動機を見出して戦う者たちのおかげで悪くない試合になったのではないでしょうか。
 
◆意欲の高い働き者たち
 
 横浜F・マリノスに敗れた試合のどこがよくなかったかを分析して臨んだ徳島ヴォルティス戦。戦い方の構築そのものは理屈に則っておかしいところはありませんでしたが、メンバー選考を誤り失敗しました。思ったよりやってくれなかったのでしょう。修正して試してみたがうまくいかず、選手選びからやり直し、森下東京はようやく正しい船出が出来ました。前節の試合後記者会見で「しっかり戦える、しっかり走れる、しっかり切り替えが出来る人選をしていかないといけない」と言っていたことを踏まえてのメンバーだったのでしょう。

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