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小川諒也、アルベル監督に基本原則を刷り込まれポジショナルプレーに開眼中。金沢浄以来のプレーメーカー的サイドバックへ

 

©F.C.TOKYO


 2021シーズンは長友佑都の加入によって右サイドバックを担当する機会が増えた小川諒也だが、今季は左サイドバックで上をめざしたい気持ちが強いという。長友と左で真っ向勝負ということになりそうな空気が漂う。
 
 その長友は日本代表招集で不在。アジア最終予選サウジアラビア戦後の隔離期間もあり、始動からFC東京で練習に励んでいる小川のほうが、アルベル流の習得という点では遙かに有利だ。しかしヨーイドンで同時に東京での練習を始めていたとしても、小川が一歩リードしていたのではないかという気もする。昨年は中に入ってボールをつなぐ、相手の守備を崩すというプレーが目についた。その志向はアルベル監督が持ち込む、ポジショナルプレーを取り込んだサッカーに適合しやすい。
 
 5レーンの分割法と密接に関係しているポジショナルプレーでは、サイドバックがいわゆる偽サイドバック的な動きをすることも珍しくない。中を通ってゴール前に行こうとする、あるいはボランチの役割を果たそうとする。まさに昨年の小川にはそれに近いところがあった。
 

©F.C.TOKYO


 東京の歴史を振り返れば、本来はボランチの金沢浄が左サイドバックのポジションを担い、攻撃の起点となってプレーメーカー的な役割を果たす時代があった。早すぎた現代サッカーのサイドバック、それが背番号17だったのだ。そしてポジショナルプレーがJリーグ全体に浸透しつつあるこの時代に、金沢浄以来のプレーメーカー的サイドバックが誕生しようとしている。
 
◆ポジショナルプレーを基礎から習得中!沖縄キャンプのいま
 
「サッカー選手として足もとが身につく」と、小川も歓迎するように、アルベル監督のサッカーはボール保持を重視する。これはただパスをつなぐのではなく、自分たちがボールを持ちつづけることで相手に攻撃させないという思想のあらわれでもある。
 
 そしてそのベースになっているものはポジショナルプレーの概念だ。いい立ち位置をとりつづける──と言葉で言うのはたやすいが、では具体的な事象としてはピッチ内で何が起こるのか。
 

取材時の小川諒也。

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