【無料記事】定説を覆す、海燕氏の大躍進(「ゆるオタ残念教養講座」)3123文字

posted on 2012/11/28/ 09:44:20

◆ゆるオタ残念教養講座/特殊(ほぼ毎日)/315円
http://ch.nicovideo.jp/blog/cayenne3030/nico

海燕氏のブロマガ「ゆるオタ残念教養講座」が好調のようです。有料版ブロマガの週間ランキング5位を記録したことに、海燕氏も興奮気味のようで、ものすごい勢いで記事を更新しています。その理由について、海燕氏自身も分析を行っているのですが、その内容は間違いないだろうと思っております。分析については後述するとして、まずは「ゆるオタ残念教養講座」とは、どのようなブロマガなのかを解説したいと思います。

◆「ゆるオタ残念教養講座」の立ち位置
「ゆるオタ残念教養講座」のテーマは何か。それは、トップページを見れば一目瞭然。いわゆる「オタク」系となっています。しかし、一口に「オタク」系と言っても、ジャンルはさまざまです。私も、いわゆる「オタク」系ですが、基本的にアニメ専門です。深夜アニメは平均すると毎日3時間視聴していますが、購読している漫画雑誌は1誌もありません。せいぜい、コンビニで売っている「闇金ウシジマくん」を読むぐらいです。また、ライトノベルは一切、読みません。

さらに言うと、私はアニメ専門なのですが、その中でも「声優」ファンという位置付けになります。アニメも好きですが、声優さんのライブやイベントに、可能な限り参加する。それが、私のスタンスとなっています。これと同じように、「作品」や「監督」、「作画」、「脚本」、「キャラクター」、「コスプレ」など、アニメのどこが好きなのかは、人によって異なっているのです。

さて、それでは海燕氏は、何を重視しているのでしょうか。「ゆるオタ残念教養講座」のバックナンバーを見返すと、「3月のライオン」や「ファイブスター物語」といった漫画、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」や「新世紀GPXサイバーフォーミュラ」といったアニメ、「文学少女」や「銀河英雄伝説」といった小説、「ラブプラス」や「ソウル&ソード」といったゲームなど、さまざまなメディアを取り上げていることが分かります。「オタク」系のほぼ、全ジャンルを網羅しているという印象を受けます。また、海燕氏は「オタク」系の記事に限らず、社会評論や有料サイト管理者としてのビジネス論などにも言及しています。

一方で、文章の切り口は「作品」あるいは「作者」や「監督」単位になることが多いようです。特に、異なる「作者」あるいは「監督」の「作品」を並べて比較したりといった記事は、興味深い内容となっています。アニメの話になったら、必ず声優の話題を盛り込む私とは大違いです。そういった意味で、海燕氏は、私とは全く異なる視点の持ち主なのですが、そういった切り口だからこそ、「なるほど!」と、うならされることも多いのです。

また、ファン目線での評論であることも重要です。ブロマガでは、制作サイドの人間や、プロの評論家もチャンネルを開設しているのですが、いわゆる「上から目線」で「ファンが知らないことを教えてやる」的なスタンスは、時代遅れになっているのかもしれません。もちろん、実際にアニメや漫画などを制作する上での技術論は、傾聴の価値もあるでしょう。しかし、「事情通」というセルフブランディングをしている人間からは、本当に知りたい「真相」や「裏事情」が語られないことも、ファンは知っているのです。というよりも、「作品」を購入している層は、何らかの収入を得ている社会人が大半ですから、会社などの組織において、さまざまな“力学”が存在することなど、既知の事実なのです。また、マーケティングなどに関して言えば、自称「事情通」よりも、一般のファンの方が広い知見を持っている可能性すらあるのです。

話が少しそれましたが、対等な立場で「作品」論を語っていることも、「ゆるオタ残念教養講座」が支持を得ている理由だと考えられます。また、よく考えてみると、「作品」について語れる“話し相手”を探すことは、困難なことなのかもしれません。私のような声優ファンの場合、声優のライブやイベントがあれば、ファンの人々は会場に集まり、そこで意気投合すれば、そのまま居酒屋で打ち上げ、ということもあります。しかし、「作品」のファンは、コミュニティーを作り(あるいは探し)、自主的にオフ会を開くなどしない限り、ファン同士が顔を合わせて交流する機会はないと想像されます。(実際は分からないですが・・・) そう考えると海燕氏は、疑似的な関係ではありますが、優秀な“話し相手”なのかもしれません。

◆「ゆるオタ残念教養講座」会員数増の秘密
さて、冒頭で「ゆるオタ残念教養講座」が有料版ブロマガの週間5位にランクされたと記しましたが、その理由は非常に明快です。「ゆるオタ残念教養講座」の記事内容は、特に変わっていないのですが、ある劇的な変化をしています。

11月11日~11月17日に届いた有料メルマガ

◆ゆるオタ残念教養講座/特殊(ほぼ毎日)/315円
http://ch.nicovideo.jp/blog/cayenne3030/nico 10通(うち無料3通)

11月18日~11月24日に届いた有料メルマガ

◆ゆるオタ残念教養講座/特殊(ほぼ毎日)/315円
http://ch.nicovideo.jp/blog/cayenne3030/nico 17通

「11月11日~11月17日」と「11月18日~11月24日」を比較して、本数が増えたことも理由の1つかもしれませんが、最も劇的な変化は、無料版が廃止されたことです。海燕氏も「めざせブロマガセレブ! どうすればブロマガランキングで首位になれるのか。(2086文字)」という記事で、このように記しています。

ランキングに入ることはあっても、19位とか20位が精々だったわけです。それなのにいまは5位! ひと桁! この差はどこにあるのか? くり返しますが、正確なことはわかりません。しかし、ひとつたしかにいえることがあります。 それは「無料記事を書かなくなってから、一気に会員増加数が増えた」ということです。

この分析は正しいと、私は考えています。過去、私もいくつかの有料サイトの運営をしていたことがあるのですが、無料サンプルをやめた結果、有料会員数が増えたという事例は、何度か確認されているからです。ただし、ここが本当に難しいのですが、だからと言って「無料サンプルが無駄だった」とは言い切れないのです。つまり、最初から無料サンプルがない有料サービスを始めた結果、集客で苦しみ、失敗したという事例もあるということです。ブロマガはニコニコ動画などの有料会員を抱えているとアドバンテージがあるため、集客面の問題がクリアされていたことを考慮すれば、もしかすると、無料記事は無駄だったのかもしれません。ただ言えることは、海燕氏が完全有料化を決断し、その成果が表れたということです。

また、海燕氏の成功は、今後のブロマガや有料メルマガにおいて、大きなインパクトを与えることになるかもしれません。従来、有料サイトや有料メルマガへの集客は、“Twitterのフォロワー数だけが頼り”とされていたのですが、海燕氏(@kaien)のフォロワー数は、11月28日(水)21時00分時点で、1964人。私のフォロワー数は3166人ですが、海燕氏の「ゆるオタ残念教養講座」と私の「有料メルマガ批評」の会員数では、数百倍の開きがあるはずです。

今後、「ゆるオタ残念教養講座」は海燕氏が掲げる目標、すなわち、有料版ブロマガの週間ランキングで首位に立てるのか? 注目です。


著者プロフィール
渡辺文重

1973年生まれ。福岡県北九州市出身。フリーランス編集者/ライター。有限会社ブンヤ取締役。パソコン雑誌のライターを経て、2003年に有限会社ブンヤ設立。携帯サイトの企画、運営、編集、執筆などを行う。主な分野は、サッカー、ゲーム、アニメなど。メールボックスに届く有料メルマガは、1週間で約100通。ちなみに、アニメの視聴時間は1週間平均1500分となっている。

ツイッターID:@sammy_sammy

著者による内容紹介

有料メルマガを1カ月3~4万円分購読して、その中から「注目!」に値する有料メルマガをピックアップしていきます。特に面白かった有料メルマガは、1週間に1本のペースを目標にレビューしていきます。また、日記も掲載しています。こちらは、アニメに関する記述が多めとなっています。

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