Dio-maga(ディオマガ)

【山形vs湘南】両監督のコメント/石﨑信弘監督「今日のようなゲームをしていると、J1残留に向けて厳しくなっていく」(3568文字)

■2015明治安田生命J1リーグ 1stステージ第4節
4月4日(土)山形 1-2 湘南(14:00KICK OFF/NDスタ/7,321人)
9′ 高山薫(湘南)、25′ 藤田征也(湘南)、45+2′ ロメロ フランク(山形)
公式記録はモンテディオ山形公式サイトをご覧ください
————————————
●石﨑信弘監督(山形):
「昨年一緒にJ2で戦った相手の対戦で、昨年は2回やって2回とも負けているということで、今日の試合は大事さは十分話した。特に試合の入り方は十分ケアするようにと言ったのだが、相手の勢いに押しこまれてしまい、イージーなミスから失点してしまった。自分たちのようにJ2から上がったチームが先に失点してしまうとかなり苦しくなる。やはり試合の入り方は、もう少し意識してやっていかないといけないのではないか。風が強いという条件もあったかもわからないですが、そういうところも、天候状況に合わせて自分たちで判断してプレーしていかないと、今日みたいに先にやられてしまうと苦しくなるのではないかなと思います。次にまたナビスコカップが週の半ばにありますが、そちらに向けて、修正できるところは修正してやっていきたいと思います」

Q:前半、非常に押し込まれる展開が続き、パスも通りにくかった。相手と比べて何が決定的に足りなかったのか。
「一つ言えるのは技術が足りない。それはJ2から上がってきたチームですからあると思いますが、もうちょっと、状況に応じて判断を変えていかなければならない。特に相手が前からかかってくる場合に、バックパスばかりしていると相手の思う壺になってしまう。そういうところの判断を、特に立ち上がりは意識していかなければいけなかったと思います」

Q:リーグ戦初先発のロメロ フランク選手について評価をお願いします。
「点を取ったことは素晴らしいと思うんですが、攻撃の組み立てのところで、タメであったりボールの動かし方であったり、まだまだ改善していかなければいけないと思います」

Q:一緒にJ2から上がってきた湘南から勝点をあげられなかったことについて。
「どこに勝っても勝点3ですし。湘南に勝てば勝点6になるわけじゃないですし。特に自分たちが目標にしているのはJ1残留ですから、湘南に負けたからJ2に落ちるわけではないですし、そこを深く考えることはないのではないかと。ただ、今日のようなゲームをしていると、J1残留に向けて厳しくなっていく。1勝3敗になりましたが、J1残留のために、次への反省と切り替えをやっていかなければならないと思います」

Q:最後のフリーキックでキム ボムヨン選手が蹴りましたが、彼をキッカーにした意図と、あのキックの評価をお願いします。
「入ってないからね。枠にも行っていないんじゃない?評価するほどのキックじゃない。(キッカーに起用したのは)判断として、石川とアルセウとボン(キム ボムヨン)がいたと思うが、その中で誰が蹴るかはその3人で決めることであって、僕が決めることではない。大した意味はないと思う」

●曺貴裁監督(湘南):
「お疲れ様でした。いい天候に恵まれて、湘南からたくさんのサポーターに来てもらって、アウェイの難しい戦いで勝点3を取れたことは、彼らに少し報いることができたかなという思いと、頑張った選手たちを素直に讃えてあげたいなと思います。

今日は立ち上がりから、風の影響もあったのですが、我々らしいプレーが随所に見られて、前半の10分間くらいで5、6本シュート打ったんじゃないかというくらい、積極的なプレーが見られていい入りができ、2点先行できた。そこまでは、年に1回あるかないかくらいの理想的な展開でした。前半の最後にセットプレーから集中力を欠いたような形でやられてしまって嫌な感じでしたけど、後半に入ってすぐに取られるよりは、前半終わりに取られる方が、顔を洗って出直すことができたので、終了間際にやられたことは、選手の気持ちを立て直せたというところで、ラッキーだったなと思います。

山形さんは、去年我々と対戦した後くらいから3バックのシステムに変えて、全員で一体となって運動量を持ってやってくるというのはわかっていたので、厳しい試合になるんだろうとは思っていましたが、マッチアップが多い状況の中で、相手よりも前を取るとか、ちょっと後半は風の影響で押し込まれたところもありましたけど、相手の嫌なところに仕掛けていくという、今シーズンずっとやってきたこと(ができた)。そういう意味で、J1の試合に少し選手たちが慣れて、落ち着いてやれる場面が今日は増えたかなと思います。

ただ、勝ったことで『嬉しい』『よかったな』と思うのは、(前回昇格した)2年前の気持ちの方が強くて、今は、去年同様、もっともっと強くなるために、我々が詰めなければならないことが、今後も、明日から、一個一個あると思っているので、それに対して選手たちが向き合って、協力してやっていくだけだと思いますし、まだ今シーズンリーグ戦は4試合しか終わっていないので、次の4試合、次の4試合というふうに、勝ち点と内容も含めて、もっともっと強い湘南になっていきたいし、それを選手と一緒に協力してやりたいなと思っています。

こういう所で選手の個人名を出すのはあまり良くないと言われていますが、言わざるを……というか、黙っているわけにも……というか、要するに言いたいので言っていいですか?(笑)途中から入った、可児壮隆という、フロンターレから期限付き移籍で借りている選手なんですけれども、彼はたぶん(今日の試合が)リーグ戦デビューです。あの難しい状況で、たった15分か20分ですが、非常にゲームを落ち着かせて堂々とプレーしてくれた。僕がフロンターレにいた時、彼が小6の時にたまたまセレクションで見て、一回見たところで合格が出たような選手だったんですが、そこからプロになるまで紆余曲折を経て、たぶん、弱さがあるとかまだまだ経験が足りないとかで、去年1年間フロンターレでは辛い思いをしたと思うんですが、本当に嬉しいです。やっぱり、ああいう子がピッチに立ってチームのために貢献してくれるというのは、うちの他の選手たちにもそうですし、これからプロを目指す子供たちにも、たくさんの勇気を与えられると思うので、今日は、あいつを褒めてあげたいなあと思っています。皆さんも、これからいい意味で“批判”をしてあげてください。これが言いたかったことです」

Q:リードして折り返したあとの後半、特に終盤はだいぶ押し込まれる時間帯もあったと思いますが、その戦い方について監督の考えを聞かせてください。
「風が吹いたり吹かなかったりで、アングルでボールを動かそうとしても風があって、風に負けて走れないような状況が出てきたので、ちょっと長いボールを入れてスペースで起点を作ろうと選手が判断してやった中で、少し入れられなくて押し込まれることもありました。山形さんも最後は数をかけて追いつこうという気持ちで来ているので、本当は裏返せて、しっかり相手コートでプレーできるのがいい終わり方ですが、決して引いたわけではなくて、そういった展開の中でそういうプレーを選択せざるを得なかったところでいうと、反省というか、理想は違ったかもしれないですが、ゲームの中で理想ばかり言っていられないところもあるので、一度クロスで、キーパーが出て(遠藤)航が最後フォローしてカバーした場面も含めて、冷静に一応やったと思います」

Q:復帰した高山薫選手が点を取りました。今季の評価はどうでしょうか。
「あいつとはちょっとゆっくり話して、柏に1年いて戻ってきて、このチームで証明したいという気持ちが強くあるんですが、少し責任を感じすぎちゃったり、少し自分がどう見られるかを気にしすぎてプレーが縮こまっているところがあったので、『今日は初心に帰ってお前のいいところを出せ』と。(先制点は)泥臭いゴールでしたけど、いいゴールが生まれたと思いますし、90分を通して足を止めないで前へ出て行くというあいつの姿勢は間違いなく相手にとって脅威だったと思う。一度、J1の中で一番走行距離が長かったというデータも見て、あいつの特徴が出ればなと思っていました。決して上手い選手ではないですが、チームのために足を止めないで攻守に関わっていくということで言うと、素晴らしい出来だったんじゃないかなと思います」

Q:後半、「顔を洗って出直す」にあたって、ハーフタイムにはどういう働きかけをしたのでしょうか。
「同じことを言いました。後半入ってすぐにやられるより前半の終わりにやられる方がよっぽどマシだと。で、0-0のつもりでやらなきゃいけないし、後半入ってすぐやられたら(相手が)更に勢いづいてくるので、もう1点取って引き離さないとこの試合は勝てないよという話もした。選手も『やっちゃったな』という感じだったんですけど、その前に2点取っているということの方が実は大きいので、それは切り替えさせて、勉強できる時間(ハーフタイム)を15分与えてもらったというところで、しっかり切り替えられたと思います」

以上

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ