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【トピックス】「丸裸」の真相〜二階堂悠コーチのチーム分析

モンテディオの取材歴は長いほうだが、チームのミーティングに潜入したことはいまだにない。ファン感はファン・サポーターを対象にした企画ではあることを理解してはいるが、「対戦チームを丸裸にする!」と宣言した分析のスペシャリスト、二階堂悠コーチが「対戦チーム分析紹介」をするとあらば、この機会を逃すわけにはいかない。取材用のビブスを着けてはいたが、30名の一般参加者と同じ気持ちで会場のP1会議室を訪れた。

室内のボードに貼られていたのは、浦和戦前に実際にクラブハウスに掲示されていたという浦和関連の資料。ここ数試合のフォーメーション図や得失点の傾向、個人のプレーの特徴などが表記されている。そして、二階堂コーチも「いつも選手にやっているのと同じようにやるので、少しわかりにくいところもあるかもしれませんが、質問があったらあとでしてください」と話し、2ndステージ第2節・浦和戦前に行われたミーティングを再現するという。

最近のフォーメーションや得失点の傾向などの説明のあと、10分ほどに編集された映像を使って戦術的な狙いやプレーの特徴を確認しながら紹介していく。たとえば、GK西川周作が意図的に緩めのフィードを入れることなど、攻守にわたり特徴的なプレーを数パターン抜き出しながら、説明は続けられた。

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映像を使ったスカウティング(分析)では、キーになる選手にマーキングするなどひと目でわかりやすい工夫が施されていた。

また後半は、昨年のリーグ最終戦・東京ヴェルティ戦前に、石﨑信弘監督の要望で編集されたというモチベーションビデオや、つい前日のミーティングで流したばかりという、昨年のJ1昇格プレーオフを編集した映像も特別に披露された。「あのときのがむしゃらさが、いま欠けているのではないか。それを思い出そう」(二階堂)との思いがあるという。リーグ戦では年間順位最下位に下がったが、あらゆる機会をとらえて浮上を図ろうとの試みは続いている。

帰り際にボードの資料を観察していた女性参加者は「ミーティングの様子はなんとなく知ってはいたけど、こんなに詳しくやっているのかと思った。分析している時点からモチベーションを上げようとしているのが意外だった」と感想を語った。

(文=佐藤円、写真=嶋守生)

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