【トピックス】「泣くつもりは無かったんですけど、駄目でした」山﨑雅人がサポーター３００人と涙のお別れ。
モンテディオ山形から今年度限りで契約満了が発表されている山﨑雅人が、１２月４日付けでチームを離れることになり、サポーターとの最後のお別れの場を設けた。
オフィシャルでリリースを出してこの場が設けられたのは、山﨑が現在別メニュー調整中でグラウンドに顔を出しておらず、ファンサービスが行えないため。山﨑本人からサポーターにお別れを言いたいという申し出があって実現された。
会見に臨む山﨑雅人。目頭が熱く、思いの込めた別れの言葉を一言一言紡いでいた。
NDソフトスタジアム内の一室に現れた山﨑は、まずメディアへの記者会見に応じる。会見では冒頭から目頭が熱くなっていたが、途中でこらえきれなくなり、会見を中断する一幕もあった。
「モンテディオが好き」と話す山﨑は、会見を通じてモンテディオ山形とチームメイト、サポーターへの感謝の気持ちを伝えていた。厳しさや辛さの方が多いプロの世界で見つけた大事な居場所。そこから離れざるを得なくなった今になってなお、「自分は居なくなりますけど、本当にモンテディオの方をもっと支えて貰えたら」とチームの行く末をサポーターに託していた。
その後行われたファンサービスでは、最後の別れを惜しむサポーターが山﨑と向かい合って「ありがとうございました」「お疲れ様でした」「頑張ってください」と握手を交わしながら話しかける。山﨑もサポーターからの花束やプレゼント、手紙などを受け取りながら、一人ひとりと丁寧に会話を交わしファンサービスに応じていた。
山﨑とサポーターが一緒に記念撮影を行う機会も設けられ、サポーターと最後の時を過ごす山﨑。およそ３００人のサポーターに２時間かけてファンサービス対応を行った。
ファンサービスに応じる山﨑。言葉に詰まり、思うように話せずに涙を流すサポーターも居た。
全てのファンサービスが終わったあとは、一番最後まで残ったサポーターから、４年間使われた山﨑のチャント（原曲:男願Groove!!／郷ひろみ）を「キメロ キメロ ヤマザキマサト ゴールをキメロー」と熱唱され、熱い激励を受けた。ファンサービスの時は気丈に振舞っていた山﨑の目からは、いつの間にか涙がこぼれ落ちていた。
「泣くつもりは無かったんですけど、駄目でした」
最後にこう話していた。
山﨑は来年以降も現役続行の意思を表明しているため、今後Ｊ２で対戦する可能性もあるだろう。ただ、モンテディオ山形の山﨑雅人とは、この場でお別れとなる。
Ｊ１降格から３年間のＪ２を経てＪ１への再昇格、そして今年降格するまで。モンテディオ山形に大きく貢献してくれたことに感謝を述べ、今後の活躍に期待したい。
報道陣とクラブからは感謝の気持ちを込めてケーキを贈る。 正会員である乃し梅本舗佐藤屋さんが作ってくれた似顔絵入りだ。 「山形のレジェンド ザキさん今まで本当にありがとう！！」 この日は本人の誕生日ではあるが、祝う言葉は入れなかった。
ひとしきり流した涙を拭った後、優しさ溢れる笑顔を見せる山﨑。全てのサポーターを見送ってから、スタジアムを後にした。
（文・写真：嶋守生）
