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【嶋コラム】苦しい時だからこそ

今年のJ1昇格プレーオフを制したのはアビスパ福岡でした。昨年の山形の盛り上がりを考えれば、クラブとしての喜びも忙しさも想像に難くありません。都市の規模が大きいことを考えれば、もしかしたら山形以上かもしれませんね。苦難の時期を乗り越えてのJ1昇格に喜びもひとしおでしょう。アビスパ福岡関係者の皆様、J1昇格おめでとうございます。

さて、そのアビスパ福岡で有名な話が一つあります。2013年10月頃、アビスパ福岡はスポンサー収入などが原因で経営が悪化して運営資金が不足し、一時はクラブライセンスが剥奪されてJリーグから退会する可能性もあるという事態に陥っていました。このクラブ存続の危機に救いの手を差し伸べた会社の一つが、アビスパ福岡のスポンサー企業でもある辛子明太子メーカー「株式会社ふくや」です。「アビスパ福岡応援ギフトセット」という明太子のセット商品を発売し、売上金の全額をアビスパ福岡に寄付したのです。その売上金はおよそ1,700万円以上にまでのぼり、アビスパ福岡が経営危機を回避する大きな後押しとなりました。クラブにとっての最大の危機に立ち上がったスポンサー企業も素晴らしいですが、それに応じて商品を買ってクラブを支えたサポーターや関係者なども素晴らしいと思います。

当時のアビスパ福岡は、11年にモンテディオ山形と共にJ1から降格しました。その後は、12年がJ2・18位、13年がJ2・14位とチームの成績も奮いませんでした。ですが、そういった苦しい時期でもチームを支えてくれるサポーターやスポンサーがいて、苦難の時期を乗り越えたからこそ、今回見事にJ1へ昇格して歓喜の瞬間を迎えられたのだと思います。

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