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【嶋コラム】スタジアム構想書で抑えたい9つのポイント!後編

前編はこちら

昨日のコラムの続きとなります。モンテディオ山形が発表した「スタジアム整備検討に基づく構想書」を元に、スタジアムの機能やアクセス、建設手法などを解説していきます。

○スタジアムを複合化させるための機能
街づくりとして考えた時に考えられる建設パターンは「街なかにスタジアムを建設し、それ自体に収益の向上を図れる施設を複合化するパターン」と「郊外の再開発プロジェクトの核として、スタジアムを建設し、面開発の複合型の街づくり」の二つとしています。

前者は海外の事例で多くみられる、スタジアムの中にショッピングモールがあるような施設です。建設コストは高いですが、入れる施設はコントロールしやすいです。
後者は日本では大阪にある市立吹田スタジアムが近い例です。スタジアム自体の機能は抑えながらも、周囲には日本最大級の大型複合施設「エキスポシティ」ができ、スタジアムの複合的な機能を補えています。こちらはスタジアムの建設コストが安く済む一方で、周辺の施設はコントロールがしにくくなります。
この他にも収益の向上が図れる機能事例を以下のように紹介しています。

①ショッピングセンター・シアター・スポーツアミューズメント等、大規模施設の誘致やテナント貸出
②観光案内施設やラーメン博物館のような「そば博物館」、産地直送の店など、山形県ならではの観光訴求施設
③有名アーティストのコンサートや大型のイベント誘致、展示場、会議室を備え貸し出す大型のMICE機能
④スタジアムに複合化した高齢者用住居などの高齢者施設
⑤スポーツ施設ならではの健康食やアスリート食、女性が喜ぶオシャレなカフェや、子供と一緒に来やすいレストランなど、おいしい山形を取りそろえたレストラン
⑥山形市児童遊戯施設「べにっこひろば」や天童市子育て未来館「げんキッズ」など、親子が自由にのびのびと安全に遊べる子育て支援施設
⑦県民が気軽にスポーツに取り組める健康増進施設
⑧有酸素系マシン等が備えられたジム・フィットネスクラブやスポーツ医科学センター、温水利用型リラクゼーション施設、酸素カプセ
ル等の設備トップアスリートを対象とした合宿支援施設
⑨クラブの歴史を彩るギャラリー、ミュージアム
⑩図書館などの公共文化施設の併設

すでに事例のある取り組みなどもあるため、取り組みの効果検証を踏まえて山形県にふさわしい施策を採用すべきとまとめています。

●ココがポイント
ポイント6「街なかに複合施設を作るか、再開発の格として面開発の複合型の街づくりか。機能は過去事例も踏まえて検討すべし!」

(残り 2522文字/全文: 3578文字)

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