【円コラム】コーチングに秘められた思い
練習後、選手の囲み取材はなるべく短時間で済むように努めている。この時期だと寒いだとか、雨だ雪だ、夏になれば暑いだなんだで、聞きたい項目をさらに絞って超コンパクトな囲み取材になる。今日は天候問題なし!というときでも広報がぴったりマークし、あきらかに「あまり長くならんようにね」という無言の圧力をかけてくる。それに抗って長時間粘るような根性も持ち合わせていないので、雑談で選手から意外な話を聞き出すことが案外できていない。
そんな中、たまたま、ある選手とじっくり囲み取材(と言っても一人だから「囲み」はおかしいか)する機会に恵まれた。練習後、クールダウンと体のケアにたっぷり時間をかける選手なのは知っていたので、それが終わってから話を聞こうと思っていたのだが、このときは広報の取り計らいもあり、クールダウン中に話をしてもいいということになったのだ。
ストレッチをするその選手の横にICレコーダーを置いて話し始めた。取材者はすでに僕ひとり。最近の調子に始まり、怪我の話、体のケアの話、持ち歩いているバッグの中身の話、家族の話、僕のキャンプ中の話など、雑談形式で約18分間続いた。チームに加わったばかりの大黒将志選手の話も。「もうちょいお堅い人なんかなと思ったけど、めちゃめちゃ気さくでおもしろい」。開幕戦で多くの選手が北九州に行っている間、市原に居残った者同士ですぐに意気投合したそうだ。
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