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【ランダムフォーカス】ボランチ〜川西翔太選手


第8節の札幌戦、第9節の岡山戦とボランチでの先発出場が続いた川西選手。これまでも試合の途中でボランチに入ることはありましたが、アルセウ選手が出場停止となった札幌戦で、この大切なポジションに起用されたのが川西選手でした。そしてアルセウ選手の出場停止が解けた岡山戦でも続けてボランチを務めました。

川西選手といえば何と言っても攻撃的なポジションのイメージ。ガンバ時代やそれ以前から川西選手を知っているファンにとっては「えっ?ボランチ?」という驚きもあったのではないでしょうか。でも、高校時代からよく知る伊東選手に聞くと「全然悪くない。あいつはボールを持てるし」と全く違和感を感じていないようでした。

川西選手自身も、ボールにたくさん触れるボランチのポジションを楽しんでいるようです。そして、一試合ずつコンビを組んだ相棒のそれぞれの良さをこんな風に説明してくれました。

「松ちゃん(松岡選手)とは、一緒に連動して走りながら二人でうまいことはめながら(守備が)できた。アルちゃん(アルセウ選手)は球際に強いしヘディングが強いから頼りになります。多少ルーズでもガチャっと止めてくれる」

今季、石﨑監督は新加入の佐藤優平選手を中心にチーム作りを考えていたと思います。「真ん中でさばける、運動量がある選手が欲しいと思っていたら、いた」(石﨑監督)というくらい、監督の構想にぴったりのタイプだった佐藤選手が第4節の負傷で早くも長期離脱した後、攻撃のタクトを振る役割を担うのは誰か。そこが定まらなかったのも長かった未勝利の原因の一つだったのかもしれません。

アルセウ選手の出場停止という非常事態から生まれたボランチ・川西選手ですが、もともと足元が巧くて収まり、周りが見えて仲間を使えるタイプ。攻撃のポイントとして大いに期待できます。しかもモンテディオに来てブレイクしてからは運動量も売り。札幌戦・岡山戦でも、前からのプレスに後ろのカバーにとスペースを埋め、90分間走り続けていました。

この先、システムがどうなるのかも含め、川西選手がボランチに定着するかどうかはわかりませんが、これは面白い選択。それに、2014年にチャンスをつかんだ時のように、川西選手がまた一つプレーの幅を広げることになるのかもしれない、そんな予感も漂います。

(文・写真:頼野亜唯子)

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