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【トピックス】ジョーカー吉田樹の劇的弾で鹿島ユース撃破!歴史をさらに塗り替えクラセンベスト4進出!!

モンテディオ山形ユースが、アカデミーの歴史をさらに塗り替えた!第41回クラブユース選手権で快進撃を続け、クラブ初となるベスト8に進出したモンテディオ山形ユースは7月29日、準々決勝で鹿島アントラーズユースと対戦。延長戦目前のアディショナルタイム94分に、吉田樹が劇的な決勝ゴールを決めてベスト4に進出した。

この大会を通じた今井監督の采配は明確だ。第2戦以降、前半は4-4-2のブロックを敷きながら持ち味の守備力を活かして無失点で凌ぎつつ、相手の戦い方に慣れる時間帯に充てる。そして後半に選手交代で流れを変えて攻勢を強めるという戦い方だ。

前半は山形ユースのシュートが0本、鹿島ユースのシュートは6本だったが、ロングボールを多めに入れてサイドを起点に崩してくる鹿島ユースの攻撃に対して完全に崩された場面はそれほど多くない。サイドからのクロスや鹿島ユースが得意とするコーナーキックの数こそ多くなったものの、GK高山やキャプテンの佐藤を中心とした守備陣がしっかりと跳ね返して自信を持って守りぬき、無失点で前半を切り抜ける。

前半終了間際から雨足が強くなり、後半に入るとさらに強くなっていく。その中で今井監督は57分に最初のカードで吉田樹を投入し、ボールを繋いで反撃に打って出た。マークが緩くなり始めた中盤で吉田が存在感を出してボールを動かすと攻撃にリズムが生まれ、直後の60分にも川俣のパスに仲嶋がターンして右足でこの試合初めてのシュートを打った。
「樹が入ってアントラーズも神経質になっていた。流れが変わりましたね」(今井監督)という山形ユースはここから攻撃の時間帯を増やしていく。

終盤は山形優勢も、雨の中でお互いに一歩も引かない展開となったが、延長戦が見え始めた94分、左サイド約35メートルの位置で吉田が倒されてFKを獲得する。FKのボールは鹿島DFに一度跳ね返されたが、リバウンドを拾った川俣が再び中央に浮き球で送り込む。ボックス中央で鈴木と相手DFが競ってこぼれたボールを「ピッチも滑っていたので、下におさえることだけイメージした」という吉田が滑り込みながら右足でボレーシュート。これがゴール左隅に入り、値千金の決勝ゴールとなった。

一躍ヒーローとなった吉田樹は、背番号10を背負うチームの中心的なボランチ。攻撃のスイッチを入れるパスを出すことも多い攻撃のタクトを振るう選手だ。
しかしこの大会はグループステージ緒戦の栃木SC戦で終盤に獲得したPKを相手にブロックされてしまうなど、調子が上がりきらず。運動量が落ちていたという今井監督の判断もあって、第2戦目以降はサブからのスタートで、試合の流れを変えて攻撃にでるジョーカーとしての役割を託していた。

PK失敗を引きずり得点で貢献したい気持ちが強かったという吉田。「これでようやく帳消し」と話したが、モンテディオ山形アカデミーの歴史をさらに塗り替えるゴールは、そのPK失敗の穴を埋めて余りある、大きな大きな価値のあるものだ。


ラウンド16のアビスパ福岡戦に続いて鹿島アントラーズユースと2試合連続で全国トップレベルのプレミア勢を撃破したモンテディオ山形ユース。今は選手一人ひとりの戦い方や役割がはっきりしていて、それがチームワークと連動性に繋がり、終盤に勢いをもたらしている。この勢いを維持したまま、ベスト4のダークホースとして今年のクラブユースでさらなる波乱を引き起こせるか。

決勝進出をかけた準決勝は7月31日、第1試合16:00から浦和レッズユース対モンテディオ山形ユース、第2試合19:00から川崎フロンターレユース対FC東京ユースが行われる。
舞台は味の素フィールド西が丘。モンテディオ山形ユースがまた新たな歴史に挑戦する。

(文章・写真=嶋 守生)

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